島の生活習慣病

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瑠璃色の海に浮かぶ、四国ほどの面積に約90万人が暮らす島しょ国。ここフィジー共和国で私は働いています。リゾート観光地としてのイメージは多く持たれていますが、今回は日本ではあまり知られていないフィジーの生活習慣病について感じたことをお話します。

町を歩くと、右を見ても左を見てもビッグサイズの人が必ずいます。バスや飛行機に乗ると、1人分の席に収まっていない人も多々。そして売っている物もビッグです。ランチを注文すればごはんもおかずも山盛り。

一般的にフィジーでの始業時間は8時、お昼休みは13時。ランチまでの時間が長いので、10時頃になると学校や職場ではモーニングティータイムとしておやつを食べます。「糖」と「油」たっぷりで、食べる量も頻度も多いのに運動量は少なめ。

そのため、フィジーではNCD(Non-Communicable Diseases:非感染症疾患)と呼ばれる生活習慣病を中心とした疾患が死因の上位になります。JICAでも2015年より技術協力プロジェクトとして生活習慣病対策を行っています。

さらに、生活習慣病の重症化の原因の一つに、早い段階で病院に来ないということも考えられます。

なぜ病院に来ないのか?現地の人に聞いてみると、「単純に面倒くさい」という人もいれば、「時間がかかるから嫌」という人もいます。中でも複数名から「(注射などの)施術が怖い」と聞いた時には驚いてしまいました。

しかし、病院に行かないといって、何もしていないわけではありません。

「ハーバルメディスン(伝統的な薬草を使用した処置)」を利用すると言う人が多く、初期はハーブ、悪化したら病院という人、病院はできる限り行きたくないという人までさまざまですが、ハーブはフィジー人の生活に浸透しているようです。

病院には行きたくないと言う人の話では、「12歳で大病を患った親戚が病院では死を待つしかないと言われたのに、ハーバルメディスンで回復して現在29歳」なのだとか。

科学的な根拠は定かではありませんが、現在のフィジーの病院は信頼感が少ないということかもしれません。西洋医学と伝統的なハーバルメディスン、双方をうまく使いながら、より効果的にフィジーの習慣に溶け込んでいけばいいなと思います。    

高度な医療技術があり、健康への意識も高い日本のやり方を導入すればいいというわけでもありません。私たちが思う親切なやり方は、相手の国の人にとっては違うかもしれません。

フィジーの人々にとっての“価値”を尊重しつつ、日本だからこそできることは何か、途上国と日本双方にとってベストな国際協力とは何なのか。模範解答はありません。

※イラストは著者による自筆



(関連リンク)

生活習慣対策プロジェクト

各国における取り組み フィジー

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モーニングティーのお菓子

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お弁当も大盛り!

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「熱や咳ならハーバルメディスン」と保健省のお姉さん


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バスは絶対座る(時には他人のひざの上にも…)左が私、右はインド系 のおばあちゃん

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市場。色とりどりの野菜や果物が並ぶ

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生活習慣病対策プロジェクトの一環。ズンバエクササイズの様子


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