カマデップ(村の宴会)

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私が住んでいるミクロネシアのポンペイ島では、年に数回カマデップ(宴会)の時期があります。ナンマルキ(酋長)が主催する大きなものから、それぞれの村のセクションチーフが行うものまでいろいろあります。例えば、その年初めてのパンの実の収穫など、本来は収穫をお祝いするためのお祭りです。

このカマデップで欠かせないものが、「ウム(石焼かまど)」と儀式用の飲み物「サカオ」です。

ウムは石を2時間ほど焼いて、その上にパンの実、ヤムイモをのせ、その上にバナナの葉を一度敷いてから、毛を焼いた豚を丸のままのせる。その上からまたバナナの皮を敷いて、約1時間から2時間石焼します。これを、ナーシュ(宴会小屋)に運んで、豚を解体し、出席者に分けるという手順です。

味付けはされておらず、塩だけで食べます。でも、うまく焼けた豚とパンの実は香ばしくておいしいです。パンの実ではこの調理方法が私は一番好きです。

次にサカオ。胡椒科のカバの木の根っこを使うのですが、この根っこには鎮静作用があるアルカロイドが含まれています。ちなみに、ポリネシア地方では、この飲み物を「カバ」と呼んでいます。

本来は、儀式用の飲み物ですが、ポンペイでは何かにつけてこのサカオを作って飲んでいます。「サカオバー」という、サカオを飲ませるお店まであります。

作り方はカバの木の根っこを水で洗って、それを円盤状の石の上にのせて、こぶし大の石で潰します。この作業は男性しかしません。上半身裸になった数人の男性が、カーンカーンという音を響かせながら潰していきます。この音の立て方にも作法があり、きれいにリズミカルに聞こえます。その後、ハイビスカスの木の皮を水に浸したもので、潰したカバを搾って、サカオを搾り出します。

ハイビスカスの皮には粘着性の物質が含まれていて、作り始めのサカオはドローっとした飲み物です。これをココナッツの杯で受けて、回し飲みをします。口をつけるのは1回という作法があります。色は灰色、味はまさに泥のような味で、飲むと舌が痺れます。鎮静作用があり、そのまま静かに眠れるのだそうですが、私はそこまで飲んだことはありません。

ポンペイ島の人たちは、男性も女性もこのサカオが大好きです。

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ウムの準備、まず石焼を準備する

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次に、パンの実やヤムイモをのせる

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ウムの完成、これで1時間以上蒸し焼き


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焼きあがった豚の丸焼き

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カバの木の根っこ:サカオの原料

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サカオを絞っているところ


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