キリバスのサンダルプロジェクト-はだしもいいけど、サンダルも活用を-

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キリバスでは多くの人が、はだしで生活している。その理由は、靴を履く習慣がない、靴を買うお金がない、漁業に備えて足の裏を強くするためなどさまざまであるが、はだしはキリバス文化の一つでもあるといえる。

しかしその一方で、裸足に関連した医療問題も多い。はだしでの移動中に足にけがをするケースは多く、その傷が化膿し足の切断に至ることもある。また病院やクリニックでは他人の血や使用済みの針が落ちていることもあり、はだしでの来院は感染のリスクが高い。コミュニティーで共同のトイレを使用している地域も多く、住民は、はだしでそれを利用するため、下痢や風邪にかかりやすい。

この状況の中、「サンダル着用のメリット講座」とキリバスで手に入る素材を使った「ココナツサンダル作成」のワークショップを行うことで、はだしに関連した医療問題の解決につなげられないかと考え、2015年8月から協力隊員の有志メンバーで「Let’s wear sandals!! -Sandals save your life-(サンダルをはこう! -サンダルがあなたの命を守る-)」という活動を行っている。

「サンダル着用のメリット講座」では、はだしに関連した傷や足に切断に関するキリバスの現状、サンダル着用によって得られるメリット(感染症予防や足のけが予防、悪化予防など)を説明。はだしが文化の一つともいえるキリバスで、はだしを否定するのでなく、特にサンダル着用が必要な3つの場所や状況
(1)トイレに行く時
(2)工事現場や病院・クリニックなどの危険物が落ちている可能性が高い場所
(3)足をけがしている時
——を挙げることで、サンダル着用を促している。

また、糖尿病患者に対しては、上記に加えて、常に靴を履くことや、足を覆う靴が良いことを伝えている

「サンダル作成」では現地で簡単に手に入る素材を使った作成方法を紹介している。活動当初は日本のわら草履にヒントを得たココナツ草履を作成したが、これは手先が器用なキリバス人でも完成するまでに3時間以上かかり、また見た目もあまり良くなかった。

そこでJICAキリバスの現地スタッフからアイデアをもらい、ココナツの木の古くなった繊維や段ボールを使ったココナッツサンダルを考案。現在は、この作り方を紹介している。また、サンダルの改良は今でも続けている。

これまで、キリバスの首都がある南タラワ地区の12ヵ所で、地域住民を対象にこの「サンダル作成ワークショップ」を行っており、2015年11月には、キリバスの新聞とラジオでこの活動が紹介された(キリバスにはテレビがない)。

今後は、キリバス住民の大半を占めるキリスト教コミュニティーや、地域コミュニティーでこの活動を継続し、はだしに関連した医療問題の解決につなげていきたい。

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サンダルプロジェクトの有志メンバー(後列中央が筆者)

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左が昔の草履サンダル、右が現在のココナツサンダル

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紙芝居形式の「サンダル着用のメリット講座」


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サンダル作成の様子

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ワークショップ後、参加者と

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テレビのないキリバスで、週刊新聞のトップを飾りました


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