ありがとう、サモアの「アインガ」

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サモア独立国に青年海外協力隊として派遣され、もうすぐ2年がたとうとしています。配属先での活動も終了し、慌ただしく帰国準備をしている今日このごろ。お世話になったたくさんの友人たちにお別れのあいさつをするたびに、サモアで過ごせる時間がどんどん少なくなっていることを実感しています。

昨年、このコーナーに、サモアの伝統的な住居である「ファレ」についての記事を投稿しましたが、今回は私が見てきたサモアンファミリーの素晴らしさを少しでも伝えることができたらうれしいです。

「コケコッコー」、「ブヒブヒ」、「ワンワンワン」。動物たちの鳴き声や、遠くから聞こえる波の音で目覚める毎日。ここサモアでは、目覚まし時計は必要ないかも知れません。空が明るくなるのに合わせて、サモア人の1日が始まります。子どもたちは、目が覚めると寝床を片付け、昨夜使った食器の洗い物をしたり、家の周りのゴミ拾いをしたりします。大人たちは、朝のティーの準備をし、長い1日に備えます。

それから、子どもは学校へ行き、大人は仕事に行きます。村での生活では、日本のように会社で働く人は少なく、多くの人はプランテーションでタロイモ、牛や豚の世話をします。子どもは、学校が終わり家に帰ってくると、洗濯をしたり、ココナッツの果肉を削って、料理をしたりします。大人が仕事などで家を空けている間は、子供が家事を代わりに行います。テキパキと仕事をこなす子どもたちの姿が印象的です。

夜になると、家族みんなでお祈りの時間である「ロトゥ」を行います。子どもの高い声と大人の低い声が混じり合い、とても神秘的で心を落ち着かせる歌声となります。

晩ご飯を食べ、寝床に入るのは大体夜9時半ごろ。祖父母と過ごすファミリーは、寝る時間がさらに早いようです。地方に住むサモア人は、「朝日が昇るとともに1日が始まり、夕陽が沈むとともに1日が終わる」という、時間に縛られない、以前と変わらない生活が脈々と続けています。

サモア語でファミリーを意味する言葉「アインガ」。このアインガの一人一人に役割が決まっており、年齢が高くなるにつれてその役割の重要度が高くなっています。小さな子どもでも、家の掃除をしたり、おつかいに行ったりと役割が与えられていて、家族みんなで家を支えています。言い換えると、誰一人として欠けてはならない存在なのです。

日本人からするとサモア人の生活は不便が多いように見えるかも知れません。しかし、不便だからこそ、家族みんなで力を合わせて生活するため、「アインガ」のきずなが強くなっているのではないでしょうか。

サモアで過ごしたこの2年間、多くの「アインガ」と出会い、私も助けられながら過ごしてきました。彼らが教えてくれた家族のきずなや人とのつながりの大切さを忘れずに、これからの長い人生を一歩ずつ歩んでいきたいです。

ありがとう、サモアのみんな。



(関連リンク)

壁がない家「ファレ」に住む人々(2015年5月15日)

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家族でまったりと時間を過ごす

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いとこたちが集まり、一緒にご飯を食べることも

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家族で協力し、ご飯の支度をしている


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赤ちゃんをあやすおばあちゃん

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