ソロモン、バナナアイランドのバナナなくしては語れない文化

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◆日常編
誰かの家に行くと、「おいで!」「座りなさい!」に続いて無言で出されるのがビートルナッツ。ビートルナッツとはヤシ科の実で、リーフ、ライム(石灰)と合わせて噛む、「ローカルビール」として代表的な嗜好(しこう)品だ。

ここソロモンでは、訪問者が来たら一緒にビートルナッツを噛むことがはじめのあいさつ。迎える側としては歓迎の意味があり、日本でいう「いらっしゃい」だ。一方、迎えられる側としては、「私は敵じゃない、仲間だよ」と示す意味がある。初めて行く土地で一緒にビートルナッツを噛むと、一瞬で壁がなくなり話が弾む。

近年では、噛みすぎによる口腔がんのリスクが指摘されているが、現地の人々は言う。「ビートルナッツは古くからある私たちの文化だ。ビートルナッツを噛む人のところには人が集まり、いつもにぎやかである」と。

◆食×祭編
ここソロモン、特に私の任地であるマキラ・ウラワ州で、ローカルフードとして親しまれているのがバナナ、パナ芋、ヤム芋、そしてココナツだ。それぞれココナツミルクで茹でたり、焼いたりして毎食のように食べられている。

マキラ・ウラワ州は、別名バナナアイランド!
バナナの種類が豊富で収穫量も多く、州の文化を象徴する食物だ。

去年9月に開催された「第2回バナナフェスティバル」では、60種類以上のバナナが展示された。バナナの木や花のみを利用したバナナフローラルアート、木の幹の繊維を利用したバッグの編み方の実演、そして肥料の作り方などが紹介された。

また、パナ芋・ヤム芋の収穫期である6月初旬、州を構成する島の一つサンタカタリナ島では、毎年収穫祭「Wogasia(ウォガシア)」が行われる。女性は芋の収穫のため、籠を脇に抱え歌いながら山に入る。男性は日の出とともに矢を投げ合い戦う。

兄弟間で、もめごとがあった際の決着は、年に一度のこの日まで持ち越され、「この戦いが終わると同時にすべてを元通りにしよう」、という伝統だそうだ。

◆冠婚葬祭編
若きふたりが結婚する前に行われる儀式、「pay girl(ペイガール)」。男性側の家族が女性を買い、家に迎え入れるというものだ。

現在マキラ・ウラワ州では、女性を買うという意味ではなく、女性を育てた両親に対する感謝を表すためにお金を払う場合もあるそうだ。

男性側は広く親戚に声を掛け助け合いながらお金(伝統的なお金である「シェルマネー(貝でできたネックレス)」と、現代のお金である紙幣)を用意し、女性の住む村へ出向く。女性側はバナナやイモ類、ビートルナッツなど伝統的な食物を飾って出迎える。

その後、女性はビートルナッツを入れたバッグを頭に下げ、嫁入り道具と共に男性家族一行に連れられ男性が住む村へと向かう。

その際、一行は歓喜を叫びながら道を行く。通り過ぎる道にある村の人々は叫び声を聞きつけ、泥やココナツの削りかす、残飯などが混じった水を一行に浴びせる。それでも叫び声はやまない。

その意味は、「何をされても怒らない。私たちは女性を迎え入れて幸せだ」。

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マキラの伝統的な食物。婚前の儀式で女性側が用意した飾り

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バナナツリー。第2回バナナフェスティバルにて

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パナ・ヤム芋の収穫祭の矢を使った戦い。奇声を発して威嚇中


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ヤム芋と葉野菜のココナツミルク煮

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調理用バナナのココナツミルクスープ

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pay girlでの1枚。飾られたシェルマネーと紙幣


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