日印研究機関による「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクトが正式にスタート

2010年8月23日

2010年7月18日、インド国ハイデラバードにて、アンドラ・プラデシュ州E.S.L.ナラシンハ知事を主賓として迎え、本プロジェクトの合同調整委員会(JCC)(注1)が開催され、「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクト(注2)が正式にスタートしました。日本側からは日本人研究者団(代表 村井純 慶應義塾大学教授)、JST、JICA、インド側からはインド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)を代表とする研究者が参加しました。

【写真】

開会セレモニーの様子。左からデサイIIT-H学長、ナラシンハ州知事、村井慶應義塾大学教授

【写真】

JCC後の両国研究代表

【写真】

インド工科大学ハイデラバード校にて

本プロジェクトにおいては日印の30名を超える研究者、10の研究機関(注3)が連携し、最先端の情報通信技術を活用した自然災害の減災と復旧支援に取り組みます。

具体的には5年のプロジェクト期間において、継続的に地震と気象データを収集するためのセンサー設置(ヒマラヤ山脈周辺及びアンドラ・プラデシュ州内)、データ解析体制構築、国際的情報ネットワークインフラの構築により、災害の早期把握、災害救援活動、復旧、復興を支援する基盤を整備します。JICAのインドにおける研究事業としては過去最大規模となります。

JCC冒頭、ナラシンハ州知事は、地震、気象、情報の3つのコンポーネントを組み合わせ、自然災害の被害を最小限に食い止めようと試みる本プロジェクトを人命救助に資するという観点から「救命胴衣(ライフ・ジャケット)プロジェクト」であると名付け、インド各地で起きている各種災害に対応すべくプロジェクトの成果を横断的に展開していく必要性についても語られました。

今回のJCCにおいては、4つの研究グループ毎(注4)に、詳細研究計画、実施スケジュール、機材調達・据付方針、研究者の相互訪問計画、研究グループ間のコーディネーション等が協議され、合意されました。

また、JCC2日目(2010年7月19日)はそれぞれの研究グループ毎に研究サイト(インド国立地球物理学研究所、インド気象庁、IIT-H)を訪問し、各施設の現状を共有しつつ、研究計画についてさらに詳細な検討がなされました。

JCCにおける合意を踏まえ、8月より両国研究者の日印往来や現地機材導入が本格的にスタートします。

(注1)合同調整委員会(Joint Coordination Committee)。プロジェクトにおける最も重要な会議の一つで、プロジェクトに関わっている援助国側と被援助国側の代表者が集まり、年間計画の承認、プロジェクトの進捗状況の確認、今後の予定などについて協議する集まりです。本プロジェクトでは1年1回の開催を予定しています。

(注2)この共同研究プロジェクトは、地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS: Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)として実施されます。SATREPSは、科学技術と外交・国際協力を相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、外務省、文部科学省とJICA、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が連携して、ODAの枠組みを活用した国際共同研究事業です。

(注3)日本側研究機関:慶應義塾大学、東京大学、奈良先端科学技術大学院大学、広島大学
インド側研究機関:インド工科大学ハイデラバード校、インド国立地球物理学研究所、
インド気象庁、インド工科大学マドラス校、インド工科大学カンプール校、国際情報工科大学ハイデラバード校

(注4)グループ構成は次の通り。「グループ1:地震災害の軽減」、「グループ2:気象観測基盤の構築」、「グループ3:持続可能な通信基盤の構築」、「グループ4:緊急事態および減災のための情報通信プラットフォームの開発」