自動気象観測装置を設置!―DISANETで継続的に気象データを収集するためのセンサー取り付けを試行

2010年10月4日

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今般IMDに設置された簡易型自動気象観測装置

9月28日から10月3日、「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクト(DISANET)(注1)の一環で、安価にインド国内で気象観測ができるシステムのプロトタイプ開発に向け、江崎浩東京大学情報理工学系研究科教授と落合秀也さん、山内正人さん、石橋尚武さん計4名からなる日本側研究者チームがハイデラバードを訪れました。同チームはDISANETのインド側研究機関のひとつ、IndiaMeteorological Department (IMD)に簡易型自動気象観測装置を試行的に設置、気象データを定期的に自動収集する仕組みを立ち上げ、今後プロジェクトで展開するプロトタイプ開発のための基礎情報収集と日印研究者間協議を行いました。

(注1)DISANETは、IIT-Hと慶応大学を中心研究機関として実施されている「地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS:Scienceand Technology Research Partnership for Sustainable Development)」の愛称です。SATREPSは、科学技術と外交・国際協力を相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、外務省、文部科学省とJICA、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が連携して、ODAの枠組みを活用した国際共同研究事業です。

簡易型自動気象観測装置

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炎天下の設置作業

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稼働確認をする日印研究チーム

DISANETは、継続的に地震と気象データを収集するためのセンサーをそれぞれヒマラヤ山脈周辺及びアンドラ・プラデシュ州内に設置し、データ解析体制と国際的情報ネットワークインフラを構築、災害の早期把握、救援活動、復旧、復興を支援する基盤を整備することを目指し今年7月に開始した5年間の日印共同研究プロジェクトです。今般は特に簡易型自動気象観測装置の試行稼働のため、日本人研究者チームがIMDを訪れました。

日印両研究者は日本人研究者チームが持ち込んだ簡易型自動気象観測装置のIMDへの仮設置に向け、終日額に汗して協働し、同装置が稼働する仕組みを立ち上げました。本装置は既に日本人研究者チームが日本国内、及び世界各地に設置し約80箇所の気象データの一括収集に活用しているものであり、今般の活動の結果、各地のデータと並んで気象データを収集、解析できる基盤が整備されました(http://live-e2.hongo.wide.ad.jp/globalsensorlist.php新しいウィンドウを開きます)。日印両研究者は協働作業と通じた互いの気づきをもとに、今後の課題を洗いだしました。

インド工科大学ハイデラバード校(IIT-H)訪問

また、日本側研究者チームはIMDとともにDISANETのインド側中心研究機関であるIIT-Hを訪問、IIT-Hで実施している気象観測研究の現況を視察するとともにDISANETのプロジェクトディレクターであるヴァラダラジュ教授(IIT-HR&D学部長)と案件実施に関する協議を行いました。

さらに、今回の訪問の機会を捉え、江崎教授はIIT-Hで特別講義を実施しスマート・ビルディングに関する最新研究の状況を紹介したり、首都デリーで包括的ICT環境改善に向けた日・印間協力関係構築のための覚書(MoU)をインド政府情報科学技術省と締結したりと八面六臂のご活躍でした。

今回の簡易装置1基の設置作業は小さな一歩でしたが、プロジェクトの今後の長い道のりのための偉大な飛躍であったに違いありません。

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(左図)IIT-Hキャンパス中庭に設置された気象観測装置を視察する日印研究者チーム
(中央)IIT-Hで特別講義を実施する江崎浩教授
(右図)日本人研究者チームとヴァラダラジュ教授(IIT-H R&D学部長)及びIIT-H研究者等