災害時の通信ネットワークの立上げに向け現地協議を実施

2011年2月28日

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(左より)中村教授、片岡助教授、武田教授、インド側DISANETプロジェクトカウンターパートコイルピライ教授。IITハイデラバードラボにて技術協議の様子。

2月15日から18日、「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクト(DISANET)(注1)の一環で、武田圭史慶應義塾大学 環境情報学部教授、中村修慶應義塾大学環境情報学部教授、片岡広太郎慶應義塾大学慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究助教授3名が、インド側カウンターパート機関であるIITマドラス及びIITハイデラバードと協議を持つべく訪印しました。

DISANETではインドの減災と復旧のために情報ネットワークを構築することを目指して日印共同研究を進めていますが、今般の訪問では災害時の通信網整備に関するインド研究機関のIT基礎インフラ整備状況や今後そうした通信網を整備していくにあたって必要となる人材に関する確認、日本の取組の紹介等が行われました。又、この機会を捉えてプロジェクト全体の進捗と整理すべき課題に関しても忌憚ない協議が行われました。

(注1)DISANETは、IIT-Hと慶応大学を中心研究機関として実施されている「地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS:Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)」の愛称です。SATREPSは、科学技術と外交・国際協力を相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、外務省、文部科学省とJICA、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が連携して、ODAの枠組みを活用した国際共同研究事業です。

災害発生時の緊急簡易通信ネットワーク構築に向けて

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コイルピライ教授等、DISANETインド側カウンターパートとの技術協議の様子(於IITハイデラバード)

ひとたび大規模自然災害が発生すると、被災地においていかに短時間に被災者が被災地外部と容易に通信連絡をとれる手段が確保できるがどうかがその後の復旧の過程に大きな影響を与えることとなります。DISANETではインドでそうした災害が起きた際、迅速に通信網が整備できるよう主としてIITハイデラバード、及びIITマドラスと共同研究を行っています。

今般、日印両研究者はIITマドラスの基礎インフラ状況を視察し、インド研究者が活用可能性を模索しているLite GSMというシステムの技術面での課題を協働して洗い出したり、IITハイデラバードで今後具体的に通信網整備に向けたアプリケーションを共同開発していくことになるインド研究者と互いのそれまでの研究活動の紹介も含めた広範な意見交換を行ったりしました。日印それぞれの既存の災害時の通信整備に関する取組の情報共有が行われたり、日本研究者からインド研究者に対し災害時のシナリオや全体的なコンセプトの確認の重要性が指摘されたりする等、多岐にわたった議論が繰り広げられました。特に武田教授は本共同研究の全体統括も行っていらっしゃることから、IITハイデラバード訪問時は現在の研究全般に関わる課題とその対応策に関する協議も行われました。同協議にはデサイ学長も適宜参加、活発な討議を通じて日印関係者一同がより一層前向きに本研究に取り組んでいくための素地が醸成されました。

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IITマドラス視察の様子(左上)基礎インフラ状況を確認する日本人研究者。(左下)ケララ州で行われている災害時簡易通信網整備の試みに関してテレビ会議を使ってヒアリングを実施する日印研究者。(中央)インド側カウンターパートの一人であるIITマドラスのジャリハール教授に日本の技術と取組状況を紹介する中村教授と片岡助教授。(右上)Lite GSMシステムの説明を受ける日本人研究者。(右下)持参した携帯電話でLite GSMシステムの稼働状況の確認を行う武田教授。

この機会を捉え、IITハイデラバードでは日本人研究者による最新の慶應義塾大学での研究を紹介する特別講義も実施されました。多様な試みに圧倒されていた様子のIITハイデラバードの参加者も、武田教授のインドでのソーシャルネットワークキングに関する質問等に答えつつ徐々に緊張を解いた様子で、講義終了後も個別に日本人研究者に質問を重ねていました。

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IITハイデラバードで実施された特別講義の様子。(写真左)武田教授。(写真中央 左より)武田教授と中村教授。(写真右 左より)武田教授と片岡助教授。

今後も日印研究者はテレビ会議を通じたフォローアップ等も交えつつ、被災地で展開できる通信網整備に向けた課題の洗い出しとその対処にともに取り組んでいく予定です。