3.11東日本大震災の教訓を活かしつつ日印共同研究の更なる深化を ―「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクト(DISANET)の合同調整委員会開催

2011年8月31日

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プロジェクト合同調整委員会終了後の記念撮影(於IITH)

8月20日、「自然災害の減災と復旧のための情報ネットワーク構築に関する研究」プロジェクト(DISANET)(注1)の合同調整委員会がIIT-Hで開催されました。プロジェクト開始から1年が経過したことに伴い日本人研究者団(代表 村井純慶應義塾大学環境情報学部教授)、インド研究者団はじめ30名を超える日印関係者が一堂に集い、それまでの活動の進捗と課題、今後の研究計画の見直しを共同で行いました。

DISANET

DISANETは継続的に地震と気象データを収集するためのセンサーをそれぞれヒマラヤ山脈周辺及びアンドラ・プラデシュ州内に設置し、データ解析体制と国際的情報ネットワークインフラを構築、災害の早期把握、救援活動、復旧、復興を支援する基盤を整備することを目指し2010年7月に開始した5年間の日印共同研究プロジェクトです。日印の30名を超える研究者、10の研究機関(注2)が「地震災害の軽減」、「気象観測基盤の構築」、「持続可能な通信基盤の構築」、「緊急事態および減災のための情報通信プラットフォームの開発」という4つの大きな研究テーマごとに研究グループを構成し、最先端の情報通信技術を活用した自然災害の減災と復旧支援に資する日印共同研究に取り組んでいます。今般のプロジェクト合同調整委員会に際しては、全グループの日印研究者が事前に一堂に会し各グループの進捗と今後の計画を整理した上で、それぞれの研究テーマに応じた研究成果と展望を互いに共有しました。

特筆すべきは3.11東日本大震災に際しての気づきや被災地での活動を日本の各グループの研究者がいちはやくとりまとめ、この機会を活用してプレゼンテーションを実施したことでした。DISANETで仮定されているインドでの地震と災害発生時の対応状況に対し事例に基づく提言が次々に出され、高度な科学的分析結果と甚大な被害状況を目の当たりにした一人一人の人間的な感情や経験談の双方に裏打ちされた迫力ある日本研究者の発表の数々にインド研究者は大いに刺激を与えられていた様子でした。

プロジェクト合同調整委員会議長であるIIT-Hデサイ学長は会の最後にインドにとっても初の経験であるこの大規模共同研究が試行錯誤を経つつも前進しつつあることを高く評価した上で、より密にこうした最新の日印研究交流が行われる機会をこれからも設けていきたいという期待を述べました。

(注1)DISANETは、IIT-Hと慶応大学を中心研究機関として実施されている「地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS:Scienceand Technology Research Partnership for Sustainable Development)」の愛称です。SATREPSは、科学技術と外交・国際協力を相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、外務省、文部科学省とJICA、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が連携して、ODAの枠組みを活用した国際共同研究事業です。

(注2)日本側研究機関:慶應義塾大学、東京大学、奈良先端科学技術大学院大学、広島大学インド側研究機関:インド工科大学ハイデラバード校、インド国立地球物理学研究所、インド気象庁、インド工科大学マドラス校、インド工科大学カンプール校、国際情報工科大学ハイデラバード校