デリー高速輸送システム建設事業

背景と目的

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インドでは近年、大都市の人口が急増し、自家用車の普及が急速に進んだため、交通混雑を引き起こしていると共に、自動車からの排気ガス等による環境問題が深刻になっています。首都デリーにおいても、人口(約1,400万人)が過去20年間に倍増したことなどにより、自家用車の普及が急速に進んでいます。デリーは、郊外と市中心部を結ぶ近距離鉄道や市内の鉄道網が整備されていないため、交通手段はバスや自家用車に頼らざるを得ない状況となっているため慢性的な渋滞が発生し、市内の平均車両速度は時速13kmとなっています。さらに、自家用車・バスは、低質な燃料や旧式のエンジンを利用しているため、これらを原因とする大気汚染も深刻な問題となっています。本事業は、デリーにおいて地下鉄及び高架鉄道を建設することで、交通混雑の緩和と排気ガスによる大気汚染の公害を減少し、更には自動車交通の代替により温室効果ガスの排出を削減をと通じ、経済の活性化と環境改善を目的としています。

  • 借款契約(L/A)調印日:1997年2月25日(フェーズ I 第1期)2006年3月31日(フェーズ II 第2期)
  • 借款金額:162,751百万円(フェーズ I)、100,583百万円(フェーズ II)
  • 実施機関:デリーメトロ公社

事業概要

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デリー高速輸送システム建設事業では、総延長約414kmのうち、有償資金協力(円借款)で第1フェーズの3路線、約65kmを建設し、2006年11月に全線開業しました。現在実施中の第2フェーズでは、6路線(うち3路線は延伸)からなる約83kmを対象としています。

事業ハイライト

第1フェーズでは、安全帽・安全靴で作業をする習慣が定着していなかったインドの工事現場において、作業員の一人一人が安全帽・安全靴を着用するとともに、工事現場の整理整頓も徹底する等、安全性及び効率性といった意識を浸透させ、インドの工事に文化的な革新を起こしたと言われており、第2フェーズでも同様の取り組みを継続しています。