2007年度 トピックス&イベント情報

2008.3.31 ラム・シン運転手が定年退職しました

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藤井所長とラム・シン運転手

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事務所スタッフと最後の記念撮影

3月28日(金)、事務所の筆頭運転手であるラム・シンさんが定年退職の日を迎えました。1947年生まれのラム・シン運転手は、1968年8月に当時の OTCA(JICAの前身)で採用になり、以後39年間にわたってJICAのインドでの事業を支え続けてくれた陰の功労者です。

仕えた所長は14人。今は事務所運転手は5人体制になっていて、ラム・シンさんは所長専用車の運転を担当をしていましたが、たまに私達も所長の了解を取って所長車を使わせてもらった時には、昔の話を随分としてくれました。

当時は携帯電話もなく、いつ所長が車を必要とするのかもわからず、なかなか車から離れることが許されなかったといいます。当然食事で席を外すわけにもいかず、出先から自分の自宅に電話を入れて帰りが遅くなるという連絡も取れなかったそうです。

また、当時は国内線もそれほど飛んでいなかったので、地方に出張するときにはデリーから車で向かうということが普通に行なわれていました。近場のジャイプールやアグラにあった技術協力プロジェクトの現場は勿論のこと、デリー・ボンベイ往復も頻繁にあったそうです。そうした時は、下手すれば1週間以上の出張にもなります。デリー・ボンベイは当時で片道3日かかったといいます。

今はドライバーの人数も増え、こうした国内出張もないため、業務としては楽になってはきています。但し、昔に比べると運転には気を遣わなければならなくなったともいいます。その理由はデリーの交通渋滞です。年齢を重ねてきて退職を意識し始めると、運転には余計に慎重になります。事故を起こさないよう、本当に丁寧な運転をしていたのが印象的でした。

事務所でささやかな引退セレモニーを開いた後、ラム・シンさんは迎えに来た3人の息子さんと奥様と一緒に事務所を後にしましたが、事務所が入居するビルの玄関まで殆どの現地スタッフが出てきて、彼の姿を最後まで見送りました。とても感動的な光景でした。

1つの職場で39年も勤め上げること、さらに働き続けて引退の年齢を迎えること、この2つがどれだけ大変なことなのか、誰もがよく知っています。特に子供が小さい頃は彼の拘束時間が逆に長かった時期でもあり、そんな中でも三男一女を立派に育て上げました。これからは同居する息子達とともに悠々自適のセカンド・ライフを歩んでいきたいと最後に語っていました。

(文:インド事務所・山田)

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2008.3.13 帰国研修員、州環境イベントで最優秀賞受賞

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表彰楯を手に笑顔のスワーさん

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スワーさんの作品

1月には、第59回共和国記念日(Republic Day)を記念して、インド国内各地でさまざまなイベントが開催されましたが、そのうちの1つ、北東部メガラヤ州リ・ボイ県で1月26日に開催された同州政府主催のイベントで、JICAの招聘で日本国内で技術研修を受けたアイバン・スワー(AibanSwer)さんが最優秀賞を受賞しました。

スワーさんはJICAの研修員として来日し、2007年8月から10月までJICA大阪、滋賀大学などを会場とした技術研修コース「水環境を主題とする環境教育(EnvironmentalEducation Focused on Fresh Water Environment)」に参加しました。琵琶湖における水質改善への取組みなどを見学したスワーさんは、その経験を具体的に自分が働く地域の環境教育に生かす試みとして、共和国記念日のコンテストに展示物を出展しました。

この展示物は「私たちの水、私たちの命(Our Water, Our Life)」と題し、環境汚染の影響と、廃棄物減量における4つのR(「購入拒否(Refuse)」「減量(Reduce)」「再利用(Reuse)」「再生利用(Recycle)」)の普及を通じた環境問題への取組みの方向性を立体的な展示にまとめられたものです。

この表彰によって有名になったスワーさんは、メガラヤ州政府から環境問題に取り組むためのプロジェクトの企画立案を行うよう指示を受け、現在準備中です。

「JICA の研修プログラムで多角的な学習の機会を得られたお陰で、河川や湖沼の環境問題や水質浄化、ゴミ管理問題などにおいて、合意形成とネットワーク構築の手法を学ぶことができました。」スワーさんはこう語ります。「この研修を通じて作成した行動計画は、今の活動をする上で大きな指針ともなっています。こうした機会を与えてくれたJICAには大変感謝しています。」

(文:インド事務所・山田)

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2008.2.27 在JICAインド安全対策協議会開催される

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藤井インド事務所長による開会の挨拶

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関係者活動報告における質疑応答

2月26日(火)、インド在住の全てのJICA関係者が一堂に会した「安全対策協議会」がデリー市内クラウンプラザ・スリヤホテルにて開催されました。

このイベントは、現在インドに派遣されている技術協力専門家、青年海外協力隊員、インド事務所員、草の根技術協力事業で活動中の日本のNGOの現地駐在員などのJICA関係者が集まり、インドの治安情勢、安全対策、健康管理上の留意点などについて相互に情報交換と協議を行い、共通の認識を高めて、その活動における障害を可能な限り少なくすることを目的として毎年開催されているものです。

当日は、これらJICAの関係者に加えて、在ニューデリー日本大使館から堂道秀明特命全権大使が開会の挨拶のために参加され、さらに警備官、医務官などの館員の方々にも講師としてご参加いただきました。また、西ベンガル州やアッサム州と隣接するブータンからは、JICAブータン駐在員事務所の所員が参加した他、今年10月にJICAとの統合が予定されている国際協力銀行(JBIC)や日本語教育協力において青年海外協力隊との連携が進められている国際交流基金のニューデリー事務所からもオブザーバー参加を得て、例年以上に盛大な協議会となりました。

このイベントには地方のJICA関係者も集まることから、安全対策協議会に加え、いくつかのサイドイベントも開催されました。

25日(月)には、青年海外協力隊員による隊員総会がJICAインド事務所にて開催されました。2006年度に協力隊の派遣がインドで再開されて以降、派遣数は着実に伸びてきておりますが、今回初めて10人に達し、まもなく離任する初代隊員もいることから、第1回総会として開催されたものです。

26日(火)には、午前の部として、JICA関係者による活動報告会がスリヤ・ホテルにて開催され、広瀬かおり隊員(日本語教師、デリーパブリックスクール配属)、備後洋調整員(特定非営利活動法人地球の友と歩む会LIFE)、山形洋一専門家(マディアプラデシュ州リプロダクティブヘルスプロジェクト)がそれぞれ活動報告を行いました。隊員、専門家、NGOと各々の活動について知る貴重な機会となりました。

27日(水)には、第4回在印NGO-JICA連絡会議がインド事務所にて開催されました。現在インドにて草の根技術協力実施中のNGO4団体に参加いただき、その事業進捗状況を報告いただくとともに、法律会計事務所による法務会計のレクチャーを行いました。

(文:インド事務所・山田)

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2007.11.19 NGO-JICA連携ワークショップを開催しました

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PCM研修の様子

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参加者全員集合

11月13日から2日間、ニューデリーでNGO-JICA連携ワークショップを開催しました。今回の中心テーマは、草の根技術協力事業パートナー型で今年度から新たに義務付けられたPDM(プロジェクト・デザイン・マトリックス)の基礎の基礎をマスターすること。南はカルナータカ州、北はウッタラカンド州、東は西ベンガル州とインド各地に散らばる事業地で、プロジェクト管理に携わる日印織り交ぜたNGO職員が対象です。遠くは1500km以上の距離を越えてはるばるニューデリーに集まったのは、草の根技術協力事業を実施中の団体、内定を受けこれから実施予定の団体、現在コンサルテーション中の団体合わせて13団体、16名。短い期間ではありましたが、広いインドで日ごろ顔を合わせることもほとんどない各団体担当者相互の交流も交え、実り多い時間となりました。

ワークショップの中心となったPCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)研修では、日本から派遣されたファシリテーターのもと、ケーススタディを使い、「誰がプロジェクトに関わるのか」、「事業地では何が問題となっているのか」、「どうやったらその問題が解決されるのか」などなど、頭を付き合わせながらグループワークを繰り返しました。最初はグループワークに入ってもなかなか意見が交わされなかったのが、徐々にエンジンがかかり、最後にはおしゃべりのインド人にも負けないくらい活発かつ真剣な議論へと発展していました。

しめくくりには、各事業担当者からプロジェクトの進捗状況が報告され、短時間ではありましたが、相互の経験を分かち合いました。「どうやって貧困層にターゲットを絞っているのか」、「どうやったら住民の意識を変えられるのか」といった、実際に現場で事業を担当している者同士だからこそ投げかけ合える疑問や対応方法などがシェアされていました。

広いインドの各地で活動するNGO職員の皆さんが、連携のネットワークを広げる機会となったワークショップ。今後のそれぞれの事業地での活躍を期待しています。

(文:インド事務所・佐々木)

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2007.11.12 第4回アジア太平洋リプロダクティブ・セクシュアルヘルス国際会議に参加しました

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JICAが出展したブースの様子

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津田MP州調整員(右から2番目)、萩原客員専門員(同5)、佐藤専門家(同6)、山形専門家(同7)

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山形専門家によるワークショップの様子

2007年10月29日から10月31日までハイデラバードで開催された第4回アジア・太平洋リプロダクティブ・セクシュアルヘルスライツ国際会議に参加し、ブース展示、ワークショップを実施しました。

同会議は、1990年代、妊産婦や乳幼児の健康の改善に対する認識が高まるにもかかわらず、実施に際してさまざまな困難が生じるなか、世界で経験やベストプラクティスを共有することを目的として始まりました。マニラ、バンコク、クアラルンプールに引き続き4回目となる今回の会議は「リプロダクティブヘルス・セクシュアルライツに新たな地平を」というテーマのもと、3日間に渡り実施されました。開催期間中は、国内外から多くの研究者・行政担当官、企業関係者・NGOや市民が参加し活発な意見交換、活動紹介を行いました。

JICAの展示ブースでは、現在ヨルダンにて南部女性の健康とエンパワメントの統合プロジェクトにてリーダーを努める佐藤都喜子国際協力専門員が、人間開発部からパレスチナの母子手帳プロジェクトに長く携わられた萩原明子客員専門員が参加され当分野における日本の技術協力およびその成果を紹介しました。来場者は特に戦後日本が劇的に妊産婦死亡率、乳幼児死亡率を改善させてきた歴史に興味を示しており、展示ブースに設置した各種パンフレットや母子手帳、ブース内で放映した日本の経験をつづったリプロダクティブヘルスに関するDVDには高い注目が集まりました。

ワークショップのJICAセッションでは、現在インドで実施中のマディヤプラデシュ州リプロダクティブヘルスプロジェクトから山形洋一専門家チームがインドにおける現場に根ざしたJICAの技術協力を紹介しました。自国のプロジェクトということもあり参加者は50名にも上りました。

(文:インド事務所・小島)

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2007.11.7 第12回世界湖沼会議にてパネルを出展しました。

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JICAブース入り口

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日本の協力をブース来訪者に説明するスタッフ

JICAインド事務所は、2007年10月29日から11月2日までラジャスターン州ジャイプールにて開催された第12回世界湖沼会議へ参加し、パネル展示を行いました。

世界湖沼会議は、1984年に滋賀県が提唱して開催した「世界の湖沼環境の保全に関する国際会議」を発端として、2年毎に世界各地で開催されている国際会議であり、世界の湖沼及び湖沼流域で起こっている多種多様な環境問題やそれらの解決に向けた取り組みについての議論や意見交換の場となっています。

12回目となる今回の会議は、財団法人国際湖沼環境委員会「ILEC」(日本、滋賀県)とインド政府環境森林省との共催により開催されました。初日の開会式には、プラティバ・パティル大統領やナモナラヤン・ミーナ環境森林大臣といった政府要人に加え、国内外から多くの研究者・行政担当官、企業関係者・NGOや市民が参加しました。

今回の湖沼会議では、JBICとJICAが共同でパネルの展示ブースを設け、JICA、JBICの事業紹介、およびインド国内や世界各国での湖沼関連プロジェクトの紹介を行いました。なかでも、インドで実施中の「住民参加型でのチリカ湖環境保全と自然資源の持続的利用計画」と「フセインサガール湖環境保全管理計画」に関する展示パネルは、開催国内のプロジェクトということもあり来場者の注目を集めました。

来場者はJICA、JBICのスタッフに熱心に質問するなど、環境保全分野での日本による協力に高い関心を示していました。また、展示ブースでは各種パンフレットをブース来場者に配布するとともに、広報ビデオを放映するなど、効果的な広報活動を展開しました。

(文:インド事務所・山本)

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2007.11.1 草の根技術協力2事業が新たにスタート

8月から9月にかけて、インドでは新しい草の根技術協力事業が2つスタートしました。

  • インド福祉村協会「北インド農村部への保健衛生教育と人材育成」
  • ソムニード「地域住民主導による小規模流域管理(マイクロウォーターシェッド・マネージメント)と森林再生を通した共有資源管理とコミュニティ開発」
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1998年に開院したUP州クシナガル県のインド福祉村「アーナンダ病院」

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貧困層患者へのケアを特に大切にしています。

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スタッフへの研修を行うプロジェクトマネージャー原康子さん(中央緑色の服)

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プロジェクト予定地ポガダヴァリ村の山頂からの眺め。雨季の後のため、緑豊かに見えるが、よく見ると灌木が多く、大樹は少ない。

9月末にはじめて赴任した加藤伸也さんは、愛知県豊橋市に本部を置くインド福祉村協会に所属し、同団体とインドのアナンダ・チャリタブル・トラストが連携して実施する草の根技術協力事業(支援型)のプロジェクトマネージャーです。退職後、何か地元でできることはないか、という軽い気持ちでボランティア活動に参加したつもりが、「なぜかインドまで来てしまった」とおっしゃる加藤さん。インドはおろか、海外に住むのははじめて、と言いますが、そうは見えない落ち着きとさわやかさで、淡々と仕事をこなしていきます。

インド北部ウッタル・プラデーシュ州(以下、UP州)東部クシナガルで活動するインド福祉村協会は、1998年に同団体の支援で開院したアーナンダ病院を中心に、農村住民への保健衛生教育と指導者育成を目的とした草の根技術協力事業を9月1日からスタートしました。後進州と言われるUP州の中でも特に社会経済発展から取り残されてきたUP州東部に位置するクシナガル県で、地域公衆衛生、生活改善など基礎保健衛生に関する知識を普及するとともに、母子手帳を活用した妊婦検診も実施し、感染症患者数の多い地域住民の健康状態の改善を目指します。

加藤さんの現場赴任で、新たな地域医療のあり方を模索する草の根プロジェクトが本格的に始動します。

一方、インドへの赴任は今年で7年目となるベテランプロジェクトマネージャー、原康子さんのもと、インドで2回目の草の根技術協力事業をスタートさせたのは、岐阜県高山市に本部を置くソムニードです。農村部での植林活動を中心とする自立支援の国際協力を行ってきたソムニードは、2007年6月までの3年間、都市スラムの女性たちの自立支援の草の根プロジェクトを実施しました。そして8月からは「古巣」の農村部、植林セクターに戻って、水・森・土・人をつなぐ小規模流域管理事業を開始しています。

プロジェクトサイトであるアーンドラ・プラデーシュ州スリカクラム県北部は山岳少数民族が多く住む地域です。しかし、森林とともに生きてきたこうした少数民族も、様々な社会経済状況の変化から、森林に依存し、共存する生活を送るのが困難になってきています。村の中でも、新しい世代が都会の消費生活への憧れをつのらせる一方、森とともに生きるすべは古い世代の記憶とともに失われつつあります。

こうした状況のもと、今回のJICAとの草の根パートナー型事業では、森林再生を含む小規模流域の自然資源管理技術を山岳少数民族に移転し、それにより持続的自然資源管理が可能になること、そしてそれを担う山岳少数民族の住民組織が設立され、自立的な組織運営が可能になることを目標とし、活動を開始しました。

3年後、森の再生を目指して志をともにする村人たちが、村をどう変化させているのか。ソムニードの新たな挑戦が始まっています。

(文:インド事務所・佐々木)

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2007.9.25 新しい協力隊員2名が到着−青年海外協力隊派遣事業、インドでも徐々に拡大中−

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事務所期待の新任隊員(左から吉田隊員、松原隊員)

インドへの青年海外協力隊員の派遣は、1978年以来長らく中断されていましたが、2006年4月、28年ぶりに再開されました。インド政府側の方針として、現在は日本語教師と柔道の2職種に限定されており、8月末現在、日本語教師3名と柔道1名の計4名の隊員がインド国内各地で活動中です。そして、平成19年度2次隊員として、新たに2名の隊員が9月25日にインドに到着しました。

吉田健吾隊員はマハラシュトラ州プネのプネ大学で日本語教師として活動し、学生や講師の会話力の向上、日本語能力試験対策、日本文化・事情の紹介などを行う予定です。プネは商業都市ムンバイからも近く、日系企業での雇用可能性もあって日本語学習への需要が大きい地域であり、吉田隊員の今後の活躍が期待されます。

松原知美隊員は全インド柔道連盟に配属される柔道隊員として、パンジャブ州パティアラのインド体育協会(National Institute of Sports)で、主としてジュニア以下の女子選手の強化を目的とした活動を行う予定です。松原隊員はこれまで全日本クラスでの競技実績を持ち、インド柔道関係者から高い注目を集めています。

両隊員はデリーで1ヶ月の現地研修を受けた後、それぞれの配属地で活動を開始します。インド事務所では、これまでの2職種での隊員配属先の開拓に加え、農村開発、保健医療分野への職種拡大に向けて引き続きインド政府への働きかけに努めることにしています。

(文:インド事務所・斎藤、山田)

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2007.9.17 2007年度新人職員OJT・インターンが事務所に加わりました。

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写真:左より宮錦インターン、小島OJT、斎藤インターン、山本インターン

小島職員:
9月1日付で、新人の小島海職員がインド事務所に派遣されました。JICAでは、人材育成の一環として1年目職員を海外事務所に派遣し、在外の現場経験を積む制度を採用しています。4月の入構後約3ヶ月の間、小島職員はJICA本部(東京都渋谷区)アジア第二部において研修を積み、今回の派遣に至りました。派遣期間は2008年4月中旬までの予定です。
宮錦インターン:
8月14日に2007年度インターン第1号として大阪大学大学院国際公共政策研究科より宮錦(みやき)達史さんが事務所に加わりました。実習期間は2007年11月までを予定しています。実習期間中は、一般業務補助に加え、専門の開発経済学を活かして農業・農村開発分野での案件形成に関連する調査補助などを主に行う予定です。
斎藤インターン:
9月7日にインターンとして名古屋大学大学院国際開発研究科の斎藤健介さんが事務所に加わりました。実習期間は2007年12月までを予定しています。実習期間中はNGOデスクでの一般業務補助に加え、インドのNGOが行なっている教育プログラム、インドの教育事情と格差問題について調査を行なう予定です。
山本インターン:
9月18日にインターンとして英国サセックス大学開発学研究所ジェンダーと開発修士課程の山本美紀さんが事務所に加わりました。実習期間は2008年1月までを予定しています。実習期間中は一般業務補助に加え、インド事務所でのジェンダー主流化推進に関する調査・企画補助を主に行う予定です。

今後、4人の力も得て、HPの更なる改善にも取り組んでいきます。

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2007.9.15 環境破壊を食い止めよう−LIFE地球の友と歩む会プロジェクトサイト訪問−

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トラックが行き交う国道

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女性自助グループのメンバーと話すコミュニティ・オーガナイザーのバサマ(左)

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土手が崩れ、機能していなかった貯水池が、流域管理組合の農民たちの共同作業で復活しました。

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自身も近くの農村出身というコミュニティ・オーガナイザーたち。活躍が期待されます。

鉄鉱石を積んだトラックが黒煙をあげて国道を行き交う。草の根技術協力事業を実施する団体、LIFEのプロジェクトサイトを訪問した私たちが最初に出会ったのはそんな光景でした。インド南部カルナータカ州ベラリー県ホスペット郡の26村を対象にするこのプロジェクトの名前は「持続可能な農業復興と女性のエンパワーメントを目指した社会開発」。インドでも珍しい鉄鉱石の露天掘りができるこの地は、中国への鉄鉱石輸出ブームに乗って、4、5年前から大規模な採掘が始まっています。

その一方で、鉄鉱石採掘が周囲の環境破壊も加速。周囲を囲む山々に木はほとんどなく、採掘のためいずれも頂上が水平に切り取られたような形をしています。多くの住民は鉄鋼会社の説得により安価で農地を手放し、現金を使い果たした後は、鉱山労働者として厳しい労働条件のもと、働かざるを得ない状況。露天掘りのため、周囲に与える健康被害も深刻です。

この地で環境破壊を食い止めるために何ができるのか。カルナータカ州に広く活動範囲を広げるカウンターパート団体MYRADA(マイラダ)と東京に本部を置くLIFEは、この地で住民主体の流域管理事業を主体とした、持続可能な農業の復興を目指すプロジェクトを進めることで合意、2006年10月から開始しました。

事業を始めるに当たって、まずはコミュニティ・オーガナイザーと呼ばれる若者が、担当する4、5村を回り、女性自助グループの支援から活動を始めます。こうした自助グループは、貯蓄活動を通して団体と村の住民との信頼関係を築くきっかけとなるほか、女性たちの健康管理や収入向上につながる研修を行う基盤ともなります。いったん関係が確立したら、今度は同じ村の農民たちと話し合い、住民主体の流域管理組合を組織。ステークホールダーである農民との話し合いに基づき、天の恵みである水をできるだけ長く多く村にとどめられるよう、貯水池や水路を整備したり、植林をするのが組合の主な仕事です。こうした組織を舞台裏で支えるのがコミュニティ・オーガナイザーであり、情熱あふれる彼らの笑顔がこのプロジェクトを支えているのです。

3ヵ年を予定しているこの事業は、今1年目を終えようとしているところですが、現地ではすでに2つの流域管理組合が活動を開始しており、活動の成果が徐々に目に見えるようになってきました。次に出会うとき、住民やコミュニティ・オーガナイザーがどんな表情を見せてくれるのか、期待がふくらみます。

(文:インド事務所・佐々木)

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2007.8.12 国境を超えて広がる地下水砒素汚染問題—宮崎大学チームによるウッタル・プラデシュ州調査

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村内に複数設置されている管井戸は住民の食事や洗濯、水浴のための大切な水源

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宮崎大学の説明を聞きに集まった村の人たち

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水質検査する宮崎大学学生を熱心に見守る村の人たち

井戸水から砒素が出る——砒素に汚染された井戸水を長年飲み続けて健康被害が起きているケースはバングラデシュが非常に有名で、同国でのJICAの支援の大きな柱の1つとされていますが、近隣のインドやネパールでも井戸水から砒素が検出されたとの報告があるのはご存知でしょうか。これらの国々はいずれもヒマラヤ山脈を水源とする大きな河川の流域にあり、バングラデシュ同様に砒素を含んだ地層が存在すると考えられています。インドではバングラデシュと隣接する西ベンガル州で早くから砒素汚染による健康被害が報告されています。

近年、デリーから比較的近いウッタル・プラデシュ(UP)州においても地下水から砒素が検出されたとの報告があります。このため、バングラデシュでも協力実績のある宮崎大学が2年間の予定で実態調査を計画し、JICAもこれを資金面から支援することになりました。

草の根技術協力スキームを活用したこのプロジェクトは2008年から開始される予定ですが、それに先立ち、8月6日よりJICA九州と宮崎大学工学部・瀬崎満弘准教授をはじめとする4人の事前調査団がモデル村の選定のために同州に入り、簡易砒素測定キットを用いた井戸水の水質調査を行いました。また、10日には州都ラクナウで開催されたUP州砒素汚染対策タスクフォース会議にも出席し、今後のプロジェクトの実施方針について説明を行いました。

砒素による健康被害は、栄養摂取状況にも大きく左右されると言われており、同一村落内における貧富格差を反映していると考えられています。今回の調査でも、ダリット(ヒンドゥー社会の最下層民)の多く住む貧困地域で、砒素による健康被害の可能性を持つ人たちが数人見られました。宮崎大学は、今後、より詳細な検査を進めることで被害の全容をとらえようとしています。そのためには、水質検査、安全な代替水源の確保、発症者に対する治療施設の確保、農業灌漑も含めた村落の総合的な水利用計画の策定など、州内において複数の省庁やセクターにまたがった連携体制を作っていくことが不可欠です。これらに向けた第一歩として行われる実態把握に関わるとともに、バングラデシュでの経験をUP州関係者に伝えていく取組みが宮崎大学とJICAには求められています。

(文:インド事務所・山田、佐々木)

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2007.8.11 山形洋一専門家スケッチ展開催される—日印文化交流50周年に華を添える—

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2007年は日印文化協定締結後ちょうど50周年にあたり、日本とインド双方において、さまざまな文化交流行事が開催されています。その一環として、マディアプラデシュ州ボパールのリプロダクティブヘルスプロジェクトに派遣中の山形洋一専門家のスケッチ展が、8月11日から19日にかけて、ニューデリー市内のインド国際センターにて開催されています。

山形専門家がスケッチを始められたのは1985年の西アフリカで、趣味というよりも専門家としての業務の一環として始められたとのことです。その後約40カ国を訪問し、多くの人物画や風景画を描いてこられましたが、同専門家によると、インドが最も素材が豊富にあるといいます。山形専門家が最初にインドを訪れたのは1971年のことですが、それ以来いずれはインドで働きたいと思っておられたのが、JICAが2005年から協力開始したリプロダクティブヘルスプロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任することで、ようやく実現しました。

以来、専門家としての業務の合間をみては独学でスケッチ画を制作されてきました。主に鉛筆とパステルが使用されていますが、中には水彩にも挑戦されています。

8月11日のオープニングには、JICA関係者をはじめ、山形専門家のインドでの知人・友人など約50人が集まり、スケッチ展の開催を祝いました。当地における広い交流がなければ個展開催には至らなかったというのは勿論のことですが、こうした優れた芸が任国での交流の幅を拡げるということを改めて認識させられた夕べでした。

山形専門家スケッチ展は以下の住所にて8月19日まで開催される予定です。

“Sketches from Madhya Pradesh, India” by Yoichi Yamagata
At India International Centre
40 Max Muller Marg, New Delhi-110003 India

(文:インド事務所・山田)

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2007.7.10 事業評価に演劇を活用—ソムニード草の根技術協力プロジェクト終了時評価—

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本番上演風景

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練習風景

JICAは、2004年7月から2007年6月まで、特定非営利活動法人ソムニードと共同で、アンドラプラデシュ州ビシャカパトナムにおいて、「都市近郊農村部の女性自助グループと都市スラムの女性自助グループの連携による新たな産直運動構築と自立のための共有財産創出プロジェクト(PCUR-LINK)」を実施しました(主管:JICA中部)。6月末から7月初旬にかけ、プロジェクトの終了時評価が行われ、JICA中部から調査団が派遣されて現地を訪問しましたが、その中で、都市の女性自助グループがプロジェクトの支援を通じてどのように変化してきたのかを女性たち自身に振り返ってもらうプロセス評価の一環として、演劇ワークショップ手法を活用しました。

プロジェクト期間中の変化のプロセスを振り返るにあたって、何がどのように起きてきたのか、当事者がその経緯を正確に覚えているケースは多くありません。演劇ワークショップによるプロセス評価は、プロジェクトの受益者と実施者が自分たちの活動を振り返って考えるのに効果的な手法です。プロジェクトの実施期間中に起きた主要な出来事を再現し、何がどのような経緯で変わっていったのかを見ることができます。また、演じる人々の姿を見ることで、変化がどれだけそこにいる人々の体に浸透しているのかを知ることもできます。

女性グループのメンバーたちは、6月上旬から脚本作りを開始し、6月29日にソムニードスタッフとJICA終了時評価団に対して劇を上演しました。さらに、そこで得られたフィードバックをもとに演劇内容を改訂し、7月3日にはビシャカパトナム市内の市民ホールにおいて、改訂版の演劇上演会を開催し、250人以上の観客を前に、女性たちは見事な劇を演じました。

こうした演劇作りを通じて、次の点が明らかになりました。第一に、演劇にはプロジェクトで行われた主要な活動がほとんど網羅され、女性たちが何を学んだのか、どのような研修を通じてそれを学んだのかを正確に把握して意識していたことです。第二に、劇の前半ではソムニードスタッフが登場しますが、後半になるとまったく出てこず、プロジェクトが進むにつれて女性グループが自ら自発的に動いてきたことがわかりました。第三に、当初の脚本では劇の最後に自分たちの成果と問題点を列挙しているシーンがありましたが、その内容はソムニードが総括している内容とも齟齬がなく、女性グループ自身が自分たちのできることとできないことをしっかり理解していました。

最後に、こうした演劇作りが初めてという女性たちが、これだけ積極的かつ自発的に動いたということが、エンパワーメントの達成度合いを表しているとも考えられます。

このようにして、演劇を使ったプロセス評価は、関係者による振り返りと教訓の抽出に大変有効なツールであることが確認できたのではないかとインド事務所では考えています。草の根技術協力プロジェクトはインドでも幾つか展開され、住民参加型の手法が取り上げられていますが、今後のプロセス評価でも演劇ワークショップのような手法を活用していければと考えています。

*この記事を作成するに当たって、終了時評価調査団に参加された「いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク(あいあいネット)」の長畑誠さんのレポートを参考にさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

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2007.7.4 山田新次長が着任しました。

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市民向けセミナーで講演する山田次長

長らく空席となっていた総務・経理・広報担当次長として、7月4日より山田浩司新次長がインド事務所に着任しました。

山田次長はこれまで東京・市谷の国際協力総合研修所にある調査研究部門のチーム長として、ICT政策改革と農村通信インフラ整備、官民パートナーシップ、途上国の人口高齢化、マイクロファイナンスといったテーマに取り組んできました。また、JICA関係者の海外赴任前に行われる研修で、「国を見る能力」という講義を行ってきました。

また、それ以前には、世界銀行協調融資担当官(2000〜2003年)、アジア第二部南西アジア地域担当官(1998〜2000年)、JICAネパール事務所員(1995〜1998年)などを歴任してきました。

インド事務所では、総務・経理部門の統括の他、事業広報、青年海外協力隊派遣事業、NGO-JICAジャパンデスクの統括責任者も兼任します。事務所では、山田新次長の着任を機に、ホームページの内容充実を図っていきたいと考えています。