草の根技術協力3事業が新たにスタート

2009年8月3日

本年6月、7月にかけて、インドで新たに3件の草の根技術協力事業がスタートしました。ここではそれぞれの活動概要について紹介します。

(1)北インドの小規模農民生活改善のための実用的農民教育プロジェクト

【写真】

アーシャ設立の農民学校で組織されたSHG(Self Help Group)メンバー

【写真】

アーシャ食品加工専門家による講義の様子

特定非営利活動法人アーシャ=アジアの農民と歩む会は、2004年から過去3年間の草の根技術協力で組合組織を通した農業生産・販売活動を実施してきました。これからの3年間ではその取り組みをさらに強化し、アラハバード県貧困農村部の持続的な生活・収入向上を目指すべく、農村改善センターの設立や、農村の人材育成・市場開拓などの実用的農民教育を行う予定です。現地のパートナー団体は、アラハバード農業大学です。

7月上旬、本事業プロジェクトマネージャーの三浦照夫さんがJICAインド事務所を訪問しました。その際、三浦さんから、農民の方が作ったお風呂用バスハーブをいただきました。「これは現在日本で販売しているんですよ。収益を得た女性などは、自らの活動に自信を持ち始めています」。

また、現場スタッフの町上貴也さんによれば、「これまでの活動で農村青年クラブや女性グループのリーダーが育っています。これからは彼らをうまく活かしてプロジェクトを進めていければ」と頼もしい言葉が返ってきました。

(2)北部ウッタラーカンド州思春期女性自立支援プロジェクト

【写真】

裁縫の講習を受ける思春期女性たち(TPAK設立)

地球市民ACTかながわは、2005年よりウッタラーカンド州で草の根技術協力として、現地NGOや地域行政とともに衛生環境改善などを実施してきました。しかし活動を進めるにつれ、貧困層に位置する女性たちが法的・社会的・経済的に厳しく抑圧されていることがわかってきたといいます。

そこで、生活向上や女性の社会参加の促進などを目的として、6月から新たに3年間のプロジェクトを開始しました。貧困層の女性たちや現地NGO(MamtaSamajik Sanstha)と共に、職業技術訓練を行うジェンダーリソースセンターの設立や、女性リーダー育成研修、マイクロクレジットを活用した収入創出活動を実施する予定です。職業訓練は、裁縫、美容、園芸、酪農、養鶏や、有機農業のクラスが各人のニーズに合うように提供されます。

3年後、地域全体がどの程度ジェンダーバイアスを改善し、村の女性たちがどのような変化を見せているのか。草の根プロジェクトへの期待は高まっています。

(3)タミルナードゥ州カンチープラム県コヴァラム村における自立的地域活性化プロジェクト

エコサントイレと言うものをご存知ですか?これは屎尿の処理に水を使用せずに分離貯蔵し肥料として利用するもので、現在、発展途上国でのトイレ普及策として世界的な注目を集めています。これに注目し今回新たに草の根技術協力をスタートさせたのは、2003年よりコヴァラム村で活動している駒澤大学の仏教経済研究所です。

プロジェクトサイトであるタミルナードゥ州コヴァラム村では、宗教・カースト等により集団が分断しており、コミュニティ共通の利益に向かって共同する意識が希薄と言われています。そのため、衛生環境は劣悪で、経済的にも停滞しています。1年間の本事業では、村の衛生状態の改善と生計向上を目指し、エコサントイレの導入やトイレ使用によって得られる有機肥料などの販売、ヤングリーダーの育成に、現地のパートナーNGO(Coastaland Rural Development Trust)と共に取り組む予定です。

(文:インド事務所 NGOジャパンデスク)