インドの地下鉄開発を支える円借款

2010年11月1日

インドの地下鉄開発に関する年次会議「Metro Rail Asia 2010」が、10月25〜27日に首都デリーで開催されました。インド政府、インド各州の地下鉄公社、援助機関、金融機関、民間企業など、多くの関係者が参加した本会議では、さまざまな側面からインドの地下鉄開発に関する議論が行われました。

JICAからは山中インド事務所長が、地下鉄事業のファイナンスに関するセッションにパネリストとして参加しました。本セッションでは、インドの地下鉄開発にかかる膨大な資金需要は公的資金のみでは対応できないため、民間投資促進の必要性が強調される一方、地下鉄事業は一般に採算性が低く、引き続き長期低利の公的資金が不可欠であるとの議論が展開され、デリー地下鉄公社からはデリー地下鉄事業の成功要因の一つはJICAからの円借款借入(注1)であるとの発言がありました。

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パネルディスカッションで発言する山中所長

山中所長からは、デリー地下鉄の事例が示すように公的資金の果たすべき役割は引き続き大きいことを強調しつつ、公的資金と民間資金は対立するものではなく、公的資金と民間資金を適切に組み合わせることが重要であることを述べました。また、円借款と民間資金との組み合わせによる地下鉄事業支援の形態として、地下トンネルや軌道工事などを円借款がファイナンスし、車両やシステムを民間部門がファイナンスするという、バンコク地下鉄事業の事例を紹介しました。

JICAはデリー地下鉄事業の成功モデルを他地域にも展開(Spread-out)すべく、バンガロール、コルカタ、チェンナイでの地下鉄事業にも円借款を供与しています。これからもインドの地下鉄開発を支える最大のパートナーとして、支援を継続していく方針です。

 

(注1)総事業費約6,667億円のうち3,748億円の円借款を供与。金利は1.2〜2.3%、期間は30年。