司馬チーフアドバイザーがインド最高栄誉の国家勲章を受章—製造業幹部育成支援プロジェクト

2012年3月23日

インドの共和国記念日である1月26日、インド政府は製造業幹部育成プロジェクト(VLFM)プロジェクトの現役チーフアドバイザーである司馬正次筑波大学名誉教授に対し、これまでの貿易・投資分野への功績を認め国家勲章であるPadma Shri勲章(注1)を授与することを発表し、3月22日の大統領府での授与式にてシン首相、主要閣僚の列席のもとでパティル大統領から直接同章が授与されました。同勲章は市民に授与される勲章の中でも高位のものであり、VLFMプロジェクトを含むこれまでの司馬教授のインドに対する多大な貢献が公に認められた形になります。

司馬チーフアドバイザーはこれまでハンガリー、米国、そしてインドと全世界規模で国家および産業発展に貢献してきた経歴を有しており、インドにおいては本プロジェクト実施のきっかけとなるLearning Communityをインド産業連盟(CII)のもとに立ち上げ、その成功を基礎に2007年からJICAの技術協力プロジェクトのチーフアドバイザーとして年間10回前後インドと日本を行き来しながら現在もプロジェクトの運営管理に心血を注いでいます。司馬チーフアドバイザーからは次のように受章の感想を寄せていただきました。

「大変重要な三つのメッセージをインド社会からいただいたと感じています。第一は日本のモノづくりに対する強い信頼のメッセージです。私どものVLFMプログラムは、日本のモノづくりの真髄を伝えるプログラムです。それに対する受章は、そのことをはっきりと、示しています。日本人として、またモノづくりのノウハウを伝える者として、これほどありがたいことはありません。第二はインドの製造業を強くしようというインド政府の強い意思を感じています。我々のプログラムは、インドの製造業の発展のために設立されたものです。それをさらに進めていこうとの意思の表れでしょう。さらに一層、私どものプログラムを加速していこうと強く思っています。第三は、インド社会のオープンさ、また知に対する敬虔な態度、自分たちの産業、社会に有益なものを着実に実行する誠実な態度を感じています。これらは我々日本人が今一度学ばねばならないことです。その意味で、今回の受章は、インドから、大震災など困難な問題を抱える日本の社会への温かい激励のメッセージと私は感じています。」

2011年12月末にデリーで開催された日印首脳会談においてもマンモハン・シン首相と野田総理の共同声明において本プロジェクトが「両国間の協力の象徴」として言及され(注2)、さらに野田総理は訪印時に行われたインド世界問題評議会(ICWA)主催の講演において、司馬教授が本プロジェクトを通じて実践している取り組みをインドと日本の「心」に響く交流の実例として紹介しました。インド側による今回の勲章授与や日印首脳会合の機会でのこれらの言及は、両国双方の首脳級のレベルで本プロジェクトが実現してきた成果が認識されていることを改めて裏付けるものとなりました。

プロジェクトの終了まで1年強となるなか、プロジェクト終了後も見据えた今後の継続的な実施基盤を強化すべく、日印の関係者は引き続き情熱的にVisionary Leaderの育成を通じた「インドの製造業の強化」という崇高な目的の実現に向け、プロジェクトの活動に邁進しています。

(注1)Padma勲章は市民に授与されるインドの勲章のなかでも最高位のものであり、選考委員会による審査を経て毎年インド共和国記念日(1月26日)に受章者が発表されるのが通例となっています。なお、今年のPadma Shri勲章受章者77名のうち、外国人/NRI(非居住インド人)/存命でない人物は4名のみとなっています。また、なお、これまで、インド勲章を受章した日本人として、最近ではスズキ株式会社の鈴木修会長(Padma Bhushan賞、2007年)、森喜朗元総理(同、2004年)などが挙げられます。

(注2)「パラ21にて、「両首脳は、「製造業経営幹部育成支援プログラム(VLFM)」の進展を評価するとともに、同プログラムはインド製造業部門を支援するだけでなく、両国間の協力の象徴となったことを認識した。両首脳は、このプログラムの2013年3月までの延長を歓迎した」と言及されています。

【写真】

司馬チーフアドバイザー

【写真】

受賞式の模様(左はパティル大統領)

【写真】

インド政府国家製造業競争力委員会(NMCC)主催の受章記者会見にてVLFMのコンセプトを説明する司馬チーフアドバイザー