昨年度、JICA運営費交付金事業の予算執行管理にかかる問題が生じたことを受け、機構として、事態を生じさせた原因の究明を図るとともに、後年度負担を含む予算執行状況につき毎月財務部より理事会へ報告・審議する体制の導入等、予算施行統制を強化してきました。その上で、外務省と緊密に協議しつつ、再発防止のための更なる施策及び関係者に対する対応として、今般、次のとおりの対応をとることとしました。
(1)「予算執行管理室」の創設
・JICA運営費交付金事業の予算執行統制を強化するため、事業費と管理的経費を横断的に管理・統制する明確な権限と責任を持った部署として、本年7月1日付で、財務部に新たに「予算執行管理室」を創設します。
(2)理事会を通じたガバナンスの強化
・「予算執行管理室」では、予算執行状況及び複数年度にわたる予算執行見通しを常時分析し、対応策と併せて、月次で理事会に報告・審議する体制を導入します。
-理事会では、技術協力にかかる新規案件要請について、今後要請が見込まれる案件も含め、年に1度、予算執行見通しを踏まえた予算上の採択可否を検討するほか、個別技術協力案件についても、特に規模が大きなものについてはすべて、案件形成段階で審議します。さらに、案件実施段階での事業スコープの大きな変更が見込まれるものについても、適時、その可否を審議することとします。
(3)予算執行管理を強化するためのシステムの改善
・経理や事業管理を行うシステムを改善し、各部署に配分された予算額を超えた契約や支出をできなくする機能を強化するとともに、配分された予算額を超えた計画額の登録も制御することで、予算を超過した計画・支出を防ぎます。
・JICAによる上述の予算執行管理強化策につき、その実効性を検証するとともに、さらなる改善策を提言いただくため、理事長の下に、組織・経営、会計管理・独法監査、ITシステム等の外部の専門家から構成される「予算執行管理強化に関する諮問委員会」を設置します。
・同諮問委員会は、6月から議論を開始し、可及的速やかに具体的な改善提案をとりまとめていただく予定です。
(1)給与の自主返納
・JICAとして、現下の状況に至った責任として、理事長をはじめとする関係役員等について、次のとおり、給与の自主返納を行うこととします。
1)理事長 給与の10%、3か月
2)副理事長 給与の10%、2か月
3)全理事(8名) 給与の10%、1か月
4)元上級審議役(1名) 給与の10%、1か月
(2)その他人事関連
・予算執行管理強化のため、関係理事及び部長の異動を予定しています。