国際捜索・救助諮問グループ アジア太平洋地域会合を東京で開催しました。

2018年9月5日

世界各地で発生する大規模地震などの自然災害等に対応するために派遣される救助チームの国際会議が8月30日から31日にかけて東京で開催されました。

大規模災害の際に一人でも多くの被災者を、より早くより効率的に救助するため、国際捜索・救助諮問グループ(INSARAG: International Search and Rescue Advisory Group)と呼ばれる国際ネットワークが組織され、捜索救助活動の国際調整や能力の国際標準化を図っています。日本の国際緊急援助隊・救助チーム(JDR救助チーム)もINSARAG設立当初からのメンバーであり、本年日本はアジア太平洋地域の議長を務めています。
本会合はアジア太平洋地域の年次会合として、日本と国連人道問題調整事務所(OCHA)の共催により開催され、域内の捜索・救助チームの関係者を始め,21か国・地域およびOCHAから74名(うち国内22名)が参加しました。

初日(8月30日)は、紀谷外務省国際協力局参事官の開会あいさつで開幕し、INSARAGの本年の活動動向の共有後、日本から、海外からの支援の受け入れを含めた我が国の巨大災害時における災害対応体制を紹介しました。その後、5つの分科会に分かれ、INSARAGの現在の主要な課題である、救助チームについての新たな能力評価手法や、小規模なチーム編成である「ライトチーム」の能力と質を担保するための方策、INSARAGの次期戦略(2020-2025年)などのテーマについて、参加者による熱心な協議が行われ、今後目指すべき方向性について意見集約が図られました。

2日目(8月31日)には、日本のリードにより「支援を受ける能力」についてのパネルディスカッションが実施されました。これは、日本が東日本大震災の際に他国からの支援を受け入れた経験や、逆に他国への国際緊急援助隊の派遣や演習に参加した経験から、国によって支援を受け入れる方針や体制が異なり、必ずしもINSARAGが想定する国際調整手法が一律に実践できるわけではないことを問題提起したものです。フィリピン、ニュージーランドからの事例報告をもとに、どのように被災国の災害対応体制とINSARAGの国際調整手法との調和を図るべきか、参加国の熱心な討議が交わされ、平時から各国の災害対応体制についての情報共有が大切であることなどについて共通認識が得られました。
その後、議長国として、アジア太平洋地域の2018年の行動計画の進捗状況を報告するともに、「支援を受ける能力」に関する議論を継続し域内における能力向上を図るなど、来年の行動計画において引き継ぐべき重点項目を提案しました。

会合の締めくくりとして,長谷川外務省国際協力局緊急・人道支援課国際緊急援助官から、来年の議長国であるオーストラリア外務貿易省のケリー次官補に対して盾が手渡され、鈴木JICA理事から、一人でも多くの被災者の命を救うため、アジア太平洋地域の一致団結した更なる取り組みを期待する挨拶をもって閉会の宣言がなされました。
今回の会合では、災害多発地域である一方、国によって災害対応能力が異なるアジア太平洋地域の現状に即した議題設定などにより、OCHA及び参加各国から有意義な会合であったとの評価を受けたとともに、日本は議長国として協議をリードし存在感を発揮することができました。また、日本国内関係機関の参加者にとっても、国際的な最新情報に直接触れるとともに、各国の国際捜索救助関係者との交流を深めることができ、国際緊急援助隊・救助チームの活動強化の面で大変貴重な機会となりました。
今後も、JICA国際緊急援助隊事務局は外務省と協力し、災害発生時の緊急対応に向けた備えの促進と救助分野における国内外関係者のネットワークの強化を通じ,積極的な国際貢献に一層努めていきます。

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参加者による集合写真

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分科会での意見交換

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会場も交え熱心に討議された「支援を受ける能力」についてのパネルディスカッション

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日本から次期議長国であるオーストラリアへの盾の手交