特別講演会「現代のピラミッドを創る—大エジプト博物館(GEM)の挑戦」

2016年10月1日

概要

会議名:特別講演会「現代のピラミッドを創る—大エジプト博物館(GEM)の挑戦」
開催日:2016年10月1日(土)
主催:国際協力機構(JICA)、東京国立博物館、東京文化財研究所
場所:東京文化財研究所セミナー室(地下1階)(東京都台東区上野公園13-43)

主な参加者

【登壇者】
カーレド・エル・アナニ(エジプト・アラブ共和国考古大臣)
タレック・タウフィク(大エジプト博物館長)
銭谷眞美(東京国立博物館長)
亀井伸雄(東京文化財研究所長)
大野憲太(JICA中東・欧州部中東第一課長補佐)
(敬称略)

【参加者】
在日エジプト国大使、在日クウェート国大使、在日アルジェリア国大使、在日イエメン国大使他、約140名が参加

背景・目的

【背景】
エジプトは文化財の宝庫であり、世界各国から観光客が訪れていますが、ツタンカーメンの黄金のマスクなどを展示するカイロの考古学博物館は、施設の老朽化が進んでいます。
このため、エジプトでは現在、日本政府による円借款の支援を得て、ギザに「大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum。以下「GEM」という。)」の建設を進めており、この新しい博物館にはツタンカーメンコレクションを初めとする多くのエジプトの至宝が展示される予定です。JICAでは、この「現代のピラミッド」ともいえる新しい博物館建設に対して支援を行うとともに、付属する保存修復センターに対しても文化財の保存修復やその関連分野に関する技術支援を行ってきました。

【目的】
本講演会では、広く日本の皆様にGEMに対する日本の協力を知って頂く為、アナニ大臣及びタウフィク館長より、エジプト考古学の歴史や魅力、GEMの全容及び現在の建設状況をご紹介頂きました。また、これまでGEMに対し、博物館運営・展示に関する助言を行ってきた東京国立博物館(以下「東博」という。)との協力関係強化の為、東博とGEMの間で今後の交流・協力に関する覚書が締結されました。

内容

【講演】
銭谷館長のご挨拶で幕を開けた本講演会は、東博とエジプトの100年を超える交流関係の紹介に始まり、続く大野課長補佐によるJICAの対エジプト支援の発表とあわせ、日本とエジプトの長きに渡る友好関係、両国の協力の意義と必要性につき、説明がなされました。
アナニ大臣からのアブ・シンベル神殿に関する発表では、水没を免れる為に岸壁を切出して行われた神殿移設プロジェクトの解説が行われ、タウフィク館長からは、建設中のGEMの展示面積が6万平方メートルとなり、5万点以上の文化財が展示される計画が報告されました。いずれの講演も大変興味深く、多くの聴衆が聴き入っていました。
最後に亀井所長より閉会のご挨拶があり、本講演会をきっかけに再び多くの日本人がエジプトを訪れ、両国間の友好関係が発展する事に対する期待が述べられ、万雷の拍手と共に講演会の幕が閉じられました。

【東京国立博物館と大エジプト博物館の覚書締結】
講演会では、日本最古の博物館であり、世界でも有数のコレクションを誇る東博と、ツタンカーメンコレクションを含むエジプトの至宝が集められる予定のGEMの間で、両館の交流及び協力に関する覚書の締結式も執り行われました。
今後、本覚書に基づき、学芸員を初めとする人材の交流や共同展示が両館で行われる予定であり、日本とエジプトの一層の関係強化が期待されます。

資料

関連リンク

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東博とGEMの覚書署名式(左からタウフィク館長、アナニ大臣、銭谷館長)

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GEMプロジェクトの説明をするタウフィク館長

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アブ・シンベル神殿の紹介をするアナニ大臣

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JICA事業の説明を行う大野課長補佐

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井上学芸部長の案内で東博館内を視察するアナニ大臣