ペルーにおける初の「世界津波の日」関連行事の開催

2016年11月5日

概要

ペルーにおいて以下3つの「世界津波の日」関連行事を開催した。
会議名:(1)防災教育イベント「世界津波の日記念:緊急・災害時の準備のためのワークショップ」、(2)世界津波の日フォーラム「世界工学大会に向けて:津波リスク削減のための世界的新アプローチ」、(3)津波避難訓練及び「世界津波の日」式典
開催日:(1)2016年11月3日、(2)2016年11月4日、(3)2016年11月5日
主催:(1)日本ペルー地震防災センター(CISMID)、(2)ペルー帰国研修員同窓会(APEBEJA)及びペルー技術者学校(CIP)、(3)ペルー国家防災庁(INDECI)
場所:(1)(2)(3)ともペルーのリマ

主な参加者

(1)リマ市サン・マルティン・デ・ポーレス地区ホセ・マリア・アルゲダス小学校の6年生及び教員、 ミゲル・エストラーダCISMID所長、ホルヘ・サマネス国際協力庁(APCI)日本担当、ロレン・ルイスAPEBEJA副会長、舩串知恵JICAペルー事務所企画調査員など約75名
(2)フリオ・クロイワ災害リスク軽減世界工学会議科学委員会議長、ホルヘ・アルバCIP学長、カルロス・コリーナAPEBEJA会長、ダニエル・オルセセ海軍代表、ガブリエル・サムディオ国連国際防災戦略事務局(UNISDR)アドバイザー、山下雅文在ペルー日本大使館一等書記官、江口雅之JICAペルー事務所長、岡部伸雄緊急警報放送システム(EWBS)普及支援アドバイザーなど約200名
(3)アルベルト・ロサダINDECI長官、フアン・ソトマヨール・カヤオ市長、ロドルホ・サブリッチ海軍水利航行局(DHN)局長、ハビエル・フェルナンデスDHN国家津波警報センター長、アナ・マリア・レバサ国連人道問題調整事務所(OCHA)アドバイザー、株丹達也在ペルー日本大使、江口雅之JICAペルー事務所長など約80名

背景・目的

(1)ペルーにおいて、2010年3月~2015年3月、ペルーの地震・津波リスクを予測し、被害軽減のための技術と施策の開発・策定を目的する科学技術協力(SATREPS)「地震・津波減災技術の向上プロジェクト」を実施し、2015年11月より、同国の防災教育を強化するため、フォローアップ協力を実施している。JICAは、フォローアップ協力の一環として、CISMIDの防災啓発センターに防災教育機材を供与するとともに、NPO法人プラスアーツの防災教育専門家を派遣し、ペルーの防災教育プログラムの開発等の支援を行った。CISMIDは、開発された防災教育プログラムを活用し、2016年6月に続き、「世界津波の日」に合わせ、子供向けに防災教育イベントを実施した。
(2)JICAが1958年に初めてペルー人を本邦研修に派遣して以降、これまで7,000人が防災分野を含む本邦研修に参加している。ペルー帰国研修員同窓会(APEBEJA)は、これまでJICA等と防災分野に係るセミナーを共催してきており、「世界津波の日」を記念し、津波リスクを啓発するため、ペルー技術者学校(CIP)と共に世界津波の日フォーラムを開催した。
(3)JICAは、防災無償「広域防災システム整備計画」を通じて、2016年1月にペルー国家防災庁(INDECI)に対して、潮位計8台及び地上デジタル放送送信機7台等を供与し、日本国外で初めてペルーにおいて緊急警報放送システム(EWBS)が導入された。2016年7月のペルー大統領就任式に参列するためペルーを訪問した二階俊博特派大使(現自民党幹事長)は、ペルーにおいて「世界津波の日」制定記念講演を行った。INDECIは「世界津波の日」の日本のイニシアティブに賛同し、11月5日、 EWBSを活用した津波避難訓練及び「世界津波の日」式典を実施した。

内容

(1)防災教育イベントでは、子供達は地震・津波のインパクトに関するビデオを視聴後、防災体操を行い、2つのグループに分かれ、屋内・屋外の2つのセッションを交代で実施した。屋内のセッションでは、CISMIDの防災啓発センターにおいて、JICAにより供与された防災教育機材を活用して、地震・津波の発生・伝播メカニズム、液状化現象、耐震・免震構造の揺れ方などの説明が行われた。他方、屋外のセッションでは、防災教育専門家から学んだ防災教育プログラムを活用し、負傷者の救出・毛布担架による搬送、水消火器による的あて及び消火のためのバケツリレーが行われた。子供達は、興味津々に地震・津波の発生・伝播メカニズム等の話を聞き、また、楽しみながらも真剣に災害時の応急対策等を体験した。
(2)世界津波の日フォーラムでは、津波の発生原因・伝播速度、津波のハード及びソフト対策、仙台防災枠組2015-2030、日本及びペルーの津波被災経験や教訓等が紹介・共有された。ペルーで津波監視・警報発出を担当する海軍は、リマ首都圏近郊では1746年に発生した大津波以降大規模な津波が発生しておらず、何時でも大規模な津波を伴う地震が発生する恐れがあることを指摘した。また、山下一等書記官は、日本の「稲むらの火」や「釜石の軌跡」の事例を紹介し、津波発生後に早期避難することの重要性を強調した。他方、江口所長は、JICAの防災分野の方針(防災主流化、事前投資、Build Back Better等)、ペルーにおける津波対策支援の事例を紹介し、岡部アドバイザーは防災無償「広域防災システム整備計画」によりペルーに導入された緊急警報放送システム(EWBS)のデモンストレーションを行った。
(3)リマ市近郊でマグニチュード8.5の地震が発生したと想定し実施された津波避難訓練では、まず海軍水利航行局(DHN)国家津波警報センターが、地球物理庁(IGP)より地震発生の情報を受け、津波の発生有無・規模を分析し、INDECIの国家緊急オペレーションセンター(COEN)に津波の発生情報を連絡し、COENは津波発生に関する警報(EWBS警報)をペルー沿岸部に発出した。国家津波警報センター内に設置されているモニターにもEWBS警報及びメッセージが発出され、ペルー沿岸部住民へ津波警報を発出するためにEWBSが活用されていることが確認された。その後、カヤオ市サンタロサ・デ・チュキート公園において「世界津波の日」式典が実施され、株丹大使及びロサダINDECI長官が挨拶を行い、世界の津波犠牲者に対して献花及び黙祷が行われた。

関連リンク

【画像】

日本ペルー地震防災センター(CISMID)の防災啓発センターにおいて、津波の発生・伝播メカニズムの説明

【画像】

消火器の使い方を学ぶため、水消火器を使っての的あて

【画像】

消火のための水を運ぶバケツリレー

【画像】

世界津波の日フォーラムにおける江口JICAペルー事務所長によるプレゼンテーション

【画像】

岡部アドバイザーによるEWBSデモンストレーション

【画像】

津波避難訓練において、国家津波警報センターに設置されたモニターにEWBSメッセージが発出された様子

【画像】

カヤオ市サンタロサ・デ・チュキート公園における「世界津波の日」の式典

【画像】

世界の津波犠牲者に対して献花