森林ガバナンスイニシアティブ:衛星データを活用した森林保全及び気候変動への挑戦

2016年11月12日

概要

会議名:UNFCCC-COP22サイドイベント「森林ガバナンスイニシアティブ:衛星データを活用した森林保全及び気候変動への挑戦」
開催日:2016年11月12日(土)
主催:国際協力機構(JICA)・宇宙航空研究開発機構(JAXA)
場所:モロッコ・マラケシュ

主な参加者

【登壇者】
・竹本明生 環境省地球環境局総務課研究調査室長
・宍戸健一 JICA地球環境部審議役/次長
・カヤンベ・ムモナイ・フランソワ コンゴ民主共和国環境・自然保護・持続開発省森林インベントリ・整備局地理情報課長
・渡邊学 東京電機大学准教授
・フランク・マーティン・サイフェルト 欧州宇宙機関 地球観測プログラム局 科学・利用・将来技術部 地球観測利用エンジニア

【モデレータ】
・久保英之 JICA専門家

【司会】
・木下圭晃 JAXA経営推進部対外連携課長

背景・目的

JICAでは、これまで多くの国で森林資源管理やREDD+(Reducing Emissions from Deforestation and forest Degradation in developing countries)の準備段階の協力を展開してきている。
2009年からの3年間、JICAとJAXAは、ブラジル・アマゾン地域において、「だいち(ALOS)」の観測データを用いて、違法伐採のモニタリング・検知を準リアルタイムで実施した。その結果、2,000件以上の違法伐採を検知し、その抑止効果により、40%の森林面積減少抑制に寄与するなど、大きな成果を得ることができた。
本年JICAとJAXAは森林ガバナンス改善のための連携協定を結び、開発途上国における熱帯林の変化を早期に発見するための新しいシステム「JICA-JAXA Forest Early Warning System in the Tropics(JJ-FAST)(JICA-JAXA 熱帯林早期警戒システム)」を構築することとなった。本システムでは、「だいち2号(ALOS-2)」の観測データを用いて、熱帯林を保有する世界61か国の森林変化を1.5か月に1回の頻度で情報提供し、データは誰でもパソコンやスマートフォン、タブレット端末等からアクセス・ダウンロード可能である。これにより、広大な国土、インフラ整備や治安状況によるアクセスの困難性、人員や予算の不足といった課題を抱える開発途上国の持続的森林管理やREDD+の実施支援を目指している。

内容

JICAとJAXAは、11月12日、モロッコ・マラケシュで開催中の第22回気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC-COP22)のサイドイベントとしてジャパン・パビリオンにて、「森林ガバナンスイニシアティブ:衛星データを活用した森林保全及び気候変動への挑戦」を開催した。
本イベントでは、昨年のサイドイベントを上回る約60人の参加者を迎え、竹本環境省研究調査室長より、JJ-FASTの活用により、開発途上国の持続的森林管理・気候変動対策に貢献することへの期待が述べられるとともに、コンゴ民主共和国環境省のカヤンベ森林インベントリ・整備局地理情報課長から、広大な熱帯林を有する同国において熱帯林減少対策の重要なツールになりうるJJ-FASTへの大きな期待が寄せられた。
欧州衛星機関のMartin(マーティン)氏からは、同機関やJAXAを含む宇宙機関、大学、国連機関等が参加する全球森林観測イニシアチブ(GFOI:Global Forest Observation Initiative)の取組が紹介された。また、宍戸JICA地球環境部審議役/次長からは、森林保全に対するJICAの取組とJAXAと連携した森林ガバナンス改善イニシアティブの紹介を行うとともに、渡邊東京電機大准教授からは、当日公開されたJJ-FASTサイト利用法についてデモンストレーションを行った。
最後のパネルディスカッションでは、開発途上国におけるリアルタイムでの森林変化の把握は、持続的森林管理の鍵であり、早期警戒システムへのニーズが高いこと、各機関間の連携に加え、ALOS-2やSentinelを始めとする異なる衛星の組み合わせ等により、更に高精度・頻度の森林モニタリングが可能なことであるとの意見が出された。また、持続的な森林管理のためには、システムの整備に加え、それに携わる職員の能力強化や、軍や警察など、取り締まりを行う機関との協力が重要であることも確認された。

資料

関連リンク

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