2017年タイマヒドン王子記念賞会合(Prince Mahidol Award Conference 2017:PMAC2017)

2017年2月3日

概要

会議名:2017年タイマヒドン王子記念賞会合(Prince Mahidol Award Conference 2017:PMAC2017)
開催日:2017年1月29日〜2月3日
主催:タイ国政府、マヒドン王子記念賞財団 ※JICAは共催者
場所:タイ(バンコク)

主な参加者

シリントンタイ国王女、タイピヤサコン保健大臣、アマルティア・セン氏、ブルントラント元ノルウェー首相、世界銀行エバンス上級局長(保健・栄養・人口)、USAIDメンデス長官補、世界エイズ・結核・マラリア対策基金マーク・ダイブル事務局長、スイングIOM事務局長、米国中華医学基金会チェン会長、武見参議院議員、JICA戸田上級審議役、その他計879名

背景・目的

タイの公衆衛生向上に尽力したマヒドン王子(現タイ国王の曽祖父)の生誕100周年にあたる1992年に、国際保健に貢献した人物を顕彰するためのマヒドン王子記念賞の授与を開始、2007年からは保健医療分野のリーダーと関係者との間で国際保健の重要な課題を議論するための国際会議を、同賞授賞式に合わせて毎年1月最終週に開催。2017年のテーマは「社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)を目指して脆弱層の健康を考える」であり、脆弱層とUHCを取り巻く状況、脆弱層の同定と課題、脆弱層支援の方途に関する議論を通じ、脆弱層の社会的包摂に関する国際的モメンタムを醸成することを目的として開催。

内容

「誰ひとり取り残さない」理念のもと採択されたSDGsを達成するためには、脆弱層(移民、女性、高齢者、障害者、HIV/AIDS感染者等)の社会的包摂が不可欠との認識のもと、世界の議論をリードする学識者を中心に、保健大臣含む政府関係者、開発パートナー幹部及び実務者、市民団体、障害当事者等の多様な参加者が活発な議論を展開、結果をPMAC2017宣言として採択した。

全体会合0(テーマ:社会的包摂:保健政策とその実践に与える意味)にブルントラント元ノルウェー首相の講演の後、戸田上級審議役がパネリストとして登壇し、障害者と高齢者に関する日本の取り組みに加え、世界で活躍する日本の障害当事者を紹介。障害当事者のエンパワメントが包摂的な社会の構築に繋がることを指摘、タイでの高齢者に関するプロジェクトを例に、関係省庁や市民社会の垣根を越えて、人間を中心に据え置くという人間の安全保障を理念に社会的包摂を推進する必要性を発信した。

加えて、JICAはパラレル・セッションを2つ企画し、「国際法的枠組みの社会的包摂に対する有効性」をテーマとした障害者権利条約等の法的枠組みが障害者の社会的包摂にもたらす有効性や限界、また「変革のエージェントとしての脆弱層当事者」というテーマのもと、当事者が変革の主体となって社会的包摂を推進することの重要性について議論した。

本会議では、JICAの提案により、脆弱層当事者が多数参加。本会議自体が脆弱層当事者にとってインクルーシブなものになるよう働きかけを行い、手話通訳、音声同時通訳(英語を解さない途上国関係者等対象)を配置する等、本会議全体が包摂性の理念を体現するよう、工夫が行われた。

関連リンク

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全体会合でスピーチを行うJICA戸田上級審議役。ブルントラント元ノルウェー首相らと共に登壇し、人間の安全保障を理念として社会的包摂を推進する重要性を訴えた。

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障害者権利条約等の法的枠組みに関するセッションのモデレーターを務めるJETRO-IDE研究員(聾者)の森壮也氏。セッションには森氏の他に、肢体不自由者(フィリピン、インド)、聾者(モンゴル)、視覚障害者(日本)が登壇し、各国の現状について報告した。

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変革の主体としての脆弱層をテーマにしたセッションのモデレーターを務めるJICA瀧澤次長。セッションには脆弱層として女性(バングラデシュ)、障害者(マレーシア)、高齢者(タイ)の当事者と支持者がそれぞれ登壇し、脆弱層は社会を共に変革していく主体として、エンパワメントと社会参画が必要であることを訴えた。