カイゼン知見共有セミナー2017の開催

2017年4月28日

概要

会議名:カイゼン知見共有セミナー2017
開催日:2017年4月26日(水)〜28日(金)
共催:JICA、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)、ケニア政府
場所:ナイロビ(ケニア)、Sarova Pan Afric Hotel

主な参加者

主な登壇者:
植澤利次 駐ケニア特命全権大使
ワングシ・サムソン 工業・貿易・協同組合省 首席秘書官
園部哲史 政策研究大学院大学副学長
島田剛 静岡県立大学 准教授/JICA研究所招聘研究員
ディラン・マキンデ NEPAD 産業・科学・技術・イノベーションハブ 上級アドバイザー
中村俊之 JICA産業開発・公共政策部部長

参加者:
アフリカ関係各国、マレーシア、アルゼンチンからのカイゼン推進機関より127名

背景・目的

「カイゼン」は日本の製造業の生産現場にて発達した品質改善・生産性向上のための手法の総称で、2016年8月、ケニアのナイロビにて開催された第6回TICAD(アフリカ開発会議)において、安倍総理はカイゼンをアフリカ中に広めることを宣言している。本セミナーはアフリカにおけるカイゼン普及・展開促進を目的に、第1回エチオピア(2016年3月)に続き開催されたもの。
セミナーに先立つ4月21日には、南アフリカにてNEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)とJICAにて「アフリカ・カイゼン・イニシアティブ」に関する合意文書(Letter of Agreement:LOA)を署名。本イニシアティブは、上述の安倍総理の宣言を実現するもので、1)産業化と経済構造転換の促進、2)Decent Workと雇用の創出、3)競争力のあるイノベーティブな人材開発を基本方針とし、今後10年間(2027年まで)で1)政策レベルでの啓発、2)Center of Excellenceの整備、3)カイゼン活動の標準化、4)ネットワーク化によりカイゼンを通じたアフリカ産業の振興を目指すもの。

内容

セミナーでは基調講演、パネルディスカッション、5S・カイゼンを実践している病院や中小企業の視察、グループディスカッションといったプログラムを通じ、関係者間で活発な議論が行われた。

  • 多様な文化があるアフリカで、カイゼンアプローチの標準化は可能か?
    参加者からの上記のような質問に対して、別の参加者の中からは「カイゼンに文化は関係ない。5Sの理念は「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」という基本的なもので、むしろアフリカ文化に共通するもの。」との意見があり、多くの参加者がこれに賛同した。また、「文化は阻害要因ではないが、カイゼンの普及・展開に当たっては各国の文化・経済背景等を考慮する必要がある。標準化に際しては、各国状況をふまえ、柔軟に対応するべき」と言う意見も多く出された。
  • 国レベルでカイゼンを普及・展開するためには政府のコミットメントが必要
    多くのアフリカ諸国では、カイゼンの普及・展開のための予算措置がままならない状況で、政府、特に首脳レベルのコミットメントの重要性が多くの参加者から提起された。これに対し、エチオピアでは故メレス前首相に続き現首相のコミットメントがあるとともに、産業政策の中でも競争力強化のために重要なアプローチとしてカイゼンが明示されているなど、優良事例も紹介され、政府コミットメントを引き出すためには、数値等でカイゼン効果を示す必要があるとともに、NEPAD、各国カイゼン推進機関が各レベルにおいて政府に働きかける必要があることが確認された。
  • NEPADの役割は?
    NEPADは今後、上述のLOAにもとづきアフリカ・カイゼン・イニシアティブを推進するファシリテーターとしての役割を担う。同機関からは、これを実現するために各国共通指標の設定とカイゼン普及・展開状況のモニタリング、各国政府への働きかけ、データベース、情報共有ポータルの開発、知見共有セミナーなどの運営、関係機関の競争を促進するための表彰制度の構築などを行うことが提案された。

今後、本セミナーで議論された内容を実現化していくために、JICAは関係各国、NEPADとの協力を継続していく予定。

資料

【基調講演】

【プレゼン】

関連リンク

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NEPAD本部での「アフリカ・カイゼン・イニシアティブ」に関するLOA署名の様子

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アフリカ・カイゼン・イニシアティブ立ち上げに関する共同記者会見

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パネルディスカッションにて、マレーシア、アルゼンチン、南アが各国の事例を紹介。モデレーターはエチオピアのゲタフン氏。

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会場の様子

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アルゼンチンの機関が開発したカイゼン啓発ツールについて説明