ADB総会セミナー「アジア太平洋地域における経済発展の経験と南南協力」

2017年5月7日

概要

会議名:ADB総会セミナー「アジア太平洋地域における経済発展の経験と南南協力」
開催日: 2017年5月7日(日)
主催: 韓国開発研究院(KDI)
場所:横浜市(パシフィコ横浜)

主な参加者

モデレーター:
キラパルティ・ラマクリシュナ アジア太平洋経済社会経済委員会(UNESCAP)東・北東アジア事務所所長

パネリスト:
アンシア・ムラカラ アジア財団国際開発協力担当部長
ホン・ソン・チャン 韓国開発研究院(KDI)国際開発センター計画・評価部長
原昌平 JICA企画部国際援助協調企画室長
パイサン・ルパニッチャキッド タイ国際協力開発局(TICA)副局長

背景・目的

SDGsの採択により、各国、組織、開発機関は、伝統的な支援を越え、人間開発や組織の能力構築を支えるナレッジの共有が求められている。過去10年、南南協力は開発協力の重要な基礎となった。この間、開発課題や目的に対応するマルチステークホルダーアプローチが採用され、一方でADBを始めとする多国間開発機関は三角協力を促進する重要な役割を担ってきた。

第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会の公式セミナーとして開催された本セミナーでは、日本、韓国、タイ各国の南南・三角協力を通じた様々な開発課題への取組についてのナレッジを共有し、SDGsの達成に向けて南南・三角協力を推進するため、ネットワーク及びパートナーシップ強化を図る効果的なアプローチについて議論した。

内容

本件セミナーでは、南南・三角協力におけるアジア・大洋州諸国・機関の経験がSDGs達成にどのように貢献できるのかについて議論。JICAから原昌平企画部国際援助協調企画室長が登壇し、ミレニアム目標に比べSDGsは非常に広範なターゲットが設定されており、これを達成するためには南南・三角協力のスケールアップが必要であると指摘。また、アジアやアフリカで実施されている「きれいな病院プログラム」や、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」に基づき実施された三角協力の事例を紹介し、三角協力のスケールアップの成功には、途上国の能力強化、センター・オブ・エクセレンスの設置、ファシリテーターとしての先進国の役割が重要であると述べた。アジア財団のムラカラ氏は、経済開発において南の国の役割と共にNGOや民間企業の役割が拡大しており、これらが新しい革新的なパートナーの場を切り開いていると指摘し、アジア諸国が21世紀の協力の戦略や議論の定義づけに主導的役割を果たしていると述べた。KDIのホン氏は、韓国が行うKnowledge Sharing Program(KSP)はナレッジ共有、途上国の自発的要請、課題解決能力強化、包括的アプローチといった特徴がある旨説明し、SDGsの各ゴールに対応して812のKSP事業を行っていると述べた。TICAのルパニッチャキッド氏は、地理的・社会的条件に合わせて持続可能な開発モデルを適応させるタイの「足るを知る経済(Sufficiency Economy)」の哲学を説明。市場志向型の農業振興(SHEPアプローチ)を行っている実例として、JICAと実施した「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」等を紹介した。最後にモデレーターのキラパルティ氏から、これらの事例を見ても南南・三角協力を通じたナレッジ共有の有用性は明らかであり、アジアは南南・三角協力を活用しつつ、SDGs達成に向けた「正しい方向」を目指していくべきであると述べた。

関連リンク

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セミナーの様子

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原室長によるプレゼンテーション

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左から、KDIホン氏、アジア財団ムラカラ氏、UNESCAPキラパルティ氏(モデレーター)、原室長、TICAパイサン氏