第50回アジア開発銀行年次総会にて北岡理事長が高齢者支援に関するセミナーに登壇:JICAは様々な機会にて積極的に発信

2017年5月7日

国際協力機構(JICA)は、5月4日から7日に横浜市で開催された第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会に参加しました。JICA北岡伸一理事長をはじめ各JICA役職員は、各国政府や開発協力機関の様々な要人と協議した他、各種セミナーや展示においてJICAの知見や経験を発信しました。

セミナーでの発信

5月4日に北岡理事長は、「高齢化するアジアにおける持続可能な開発に向けた行動」をテーマにしたホスト国主催セミナーにて、木原財務副大臣と中尾ADB総裁に続き冒頭挨拶を行いました。挨拶の中で北岡理事長は、高齢化は財政負担の問題などに焦点が当たりがちだが、長生きはそもそも「良いこと」であると認識すべきと述べました。また、50歳になってから天文学の勉強をはじめ、55歳から測量調査を行い、73歳で没するまで正確な日本地図を作成し続けた伊能忠敬の例をひいて、高齢者の経験や知見は社会の発展に役立ち、社会の側も高齢者の活躍を推進すべきと主張しました。その上で、高齢者の支援でJICAが優先する協力分野のひとつは、健康増進、疾病予防、医療ケア、および地域レベルでの社会参加を包括的に支援する地域包括ケアシステムを紹介することであると説明しています。このアプローチは、人間一人ひとりが幸せに尊厳を持って生活できることを確保するための『人間の安全保障』という日本が推進する考え方に基づくものであると述べました。

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冒頭挨拶にてアジアの高齢者支援について見解を述べる北岡理事長

同セミナーでは、続いてパネルディスカッションが開催され、JICA戸田上級審議役が、プーナム・ケトラパル・シンWHO南東アジア事務局長、スーンマン・クウォンADB保健セクターグループチーフらとともにパネリストとして登壇しました。パネルディスカッションではユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進やアジアの持続的発展に寄与する方策について議論が展開され、戸田上級審議役からは、アジア・大洋州諸国においては、UHCの達成や介護システムの推進といった保護(プロテクション)の観点だけでなく、高齢者の福祉や生活の支援も含む地域に根差した包括的なケアを推進する能力強化(エンパワーメント)のアプローチも重要であると主張しました。更に、高齢者への支援を投資ととらえ、高齢者が社会に貢献することによって得られるリターンを『シルバー・ボーナス』として更に活用できる社会を目指し、日本として支援していく必要があることを提言しました。

JICAはその他にも、SDGsの達成、資本動員、インフラ需要推計、南南協力、衛星技術の活用等に関する公式サイドイベントに登壇し、アジアの有する課題と今後の開発のあるべき方向性について、JICAの知見と経験を発信しました。
各サイドイベントの結果概要は以下のとおりです。

JICA展示ブース

JICAはADB総会において展示ブースを設け、JICAのアジアにおける保健、インフラ整備、産業人材育成、気候変動と強靭性、官民連携、SDGs達成への支援について、それぞれの取り組みを紹介しました。特に、中小企業海外展開支援事業にてバングラデシュにて普及を試みている自転車一体型浄水装置「シクロクリーン」(日本ベーシック株式会社)を展示したところ、非常に好評を博し、実際に自転車を漕いでみる方も多くいらっしゃいました。また、バングラデシュ財務大臣もJICAの展示ブースに立ち寄り、本製品について絶賛されました。

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バングラデシュ財務大臣(車椅子の方)ご一行に対し、シクロクリーンの説明をする日本ベーシック株式会社の勝浦社長(右手前)