米州開発銀行及びJICA共催セミナー「共感性に支えられた新たな金融手法:中南米地域における活用の可能性」

2017年6月5日

概要

会議名:米州開発銀行及びJICA共催セミナー「共感性に支えられた新たな金融手法:中南米地域における活用の可能性」
開催日:2017年6月1日、2日、5日
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)、米州開発銀行(IDB)
後援:【仙台セミナー】宮城県、岩手県、福島県、仙台市、河北新報社 【大阪セミナー】大阪府、兵庫県、奈良県
場所:東京、仙台、大阪

主な参加者

大石 一郎(米州開発銀行(IDB)アジア事務所長)
中村 圭介(多数国間投資基金(MIF)スペシャルアドバイザー)
成田 哲朗(MIFスペシャリスト)
竹内 登志崇(JICA中南米部参事役)
ミゲル・ハタダ(ペルーABACO信用組合会長)
ヘルマン・マツムラ(ペルーABACO信用組合理事)
小松 真実(ミュージックセキュリティーズ株式会社代表取締役)

【東京セミナー】
竹内 元(JICA中南米部長)
丸山 健太郎(株式会社丸山珈琲代表取締役)
山下 泉(個人投資家)

【仙台セミナー】
櫻井 泰典(福島県庁企画調整部長)
岩崎 真奈(合名会社寒梅酒造)

【大阪セミナー】
近澤 高志(兵庫県産業労働部産業振興局新産業課新産業創造班長)
下村 丈治(株式会社滋賀銀行営業統轄部法人推進グループ課長)
田代 和弘(田代珈琲株式会社代表取締役)"

内容

JICAは、中南米地域の地域開発金融機関である米州開発銀行(IDB(注1))の多数国間投資基金(MIF(注2))と共に、中南米地域における地場中小零細企業支援に向けたマイクロ投資クラウドファンディングの将来的な活用可能性について共同調査を実施した。マイクロ投資クラウドファンディングとは、個人投資家がインターネット上のプラットフォームを介して、特定の事業者に対し直接的に少額から出資する、投資を通じた社会貢献の仕組みである。日本では、内閣府が「ふるさと投資」の一環で推進し、新たな金融アプローチとして広く活用されるようになった。今般、共同調査の報告書 「Empathy Driven Funding : New Frontier of Financing Small Businesses」が完成したことを受け、マイクロ投資クラウドファンディングを中南米地域における経済社会開発促進に活用する可能性、また、日本の中小零細企業が中南米地域におけるビジネスを検討する際に活用する可能性などについて、セミナーを開催した。

マイクロ投資クラウドファンディングの特徴の一つとして、個人投資家が自分の応援したい事業に、気軽に少額から出資できるという点があります。この投資の場合、経済性よりも、事業者、事業インパクト、事業の行われる地域などへの思い入れや愛着が投資動機になっている。一方、事業者にとっては自由度の高い資金として活用できるほか、担保や信用が必要となる従来の金融商品では必要な資金を調達することが困難であった事業者も資金調達が可能となるケースがある。中南米地域においては金融アクセスが不十分な中、中産階級の拡大、インターネットの普及等を背景として、こうした共感性に支えられた新たな金融チャネルを活用できる土壌が十分にあると考えられる。

セミナーでは、中南米地域において重要な経済社会開発課題の一つとなっている民間部門の育成、特に中小零細企業の資金調達支援として、伝統的な金融機関を補完する形で新しい金融アプローチを活用する金融機関が増えている旨、成田MIFスペシャリストより発表があった。また、パネルディスカッションにおいては、プラットフォームを運営するマイクロ投資クラウドファンディングのオペレーター、プラットフォームで資金調達経験のある事業者、自治体関係者、金融機関関係者、個人投資家など多様なステークホルダーから、マイクロ投資クラウドファンディングの今後活用の可能性について活発な議論が行われた。

開発途上国における経済社会開発の膨大な資金需要を充足するためには、ODAによる直接的な支援のみならず、民間部門の果たす役割が益々重要になっており、マイクロ投資クラウドファンディング等の新しい民間金融の仕組みも重要なツールとして期待されている。

(注1)IDB:Inter-American Development Bank
(注2)MIF:Multilateral Investment Fund

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MIF成田スペシャリスト

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ABACOハタダ会長

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ABACOマツムラ理事

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東京セミナ−パネルディスカッション 左から、MIF中村氏、小松氏 山下氏、丸山氏

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大阪セミナーパネルディスカッション 奥から、マツムラ氏、田代氏、下村氏、近澤氏、小松氏、中村氏