「Initiative for Macroeconomist of the Future エコノミスト養成プログラム:第1回「マクロフレーム」」の開催

2017年8月10日

2017年8月9日〜10日の2日間にかけて、IMF主催、JICA協力にて「Initiative for Macroeconomist of the Future:エコノミスト養成プログラム」の第1回目のセミナーをJICA東京にて開催した。本セミナーは、主に国際経済・開発分野を専攻しており、国際機関等への就職を希望する学生を対象に、IMFのマクロ経済分析のアプローチやIMFの具体的な業務を伝えていくことを目的としている。これまでもJICAとIMFは隔年で合同セミナーを開催するなど、IMFのマクロ経済の視点とJICAの現場の知見に基づいた情報交換を中心に連携を進めており、IMFのマクロ経済分析の手法はJICAでも活用していることから、本セミナー開催での協力が実現した。

このプログラムの特徴は、受講生に対して単発のセミナーを行うことに留まらず、セミナー受講後に今後の学習をどのように進めるか、またどのように将来のキャリアパスを構築していくのか等のアイデアを提供することである。具体的には、オンライン研修システム「edX」においてIMFが提供する各コースについて説明し、またキャリアパスに関しても、「アジア太平洋地域事務所(OAP)のインターンプログラム」や「奨学金プログラム」などについて紹介していくものである。

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セッションの様子(写真提供:IMF)

セミナーには、募集に対して3倍以上の応募があり、結果的に約20名の受講生が参加した。受講生は大学院修士課程もしくは博士課程で学んでいる学生達であり、そのうちおよそ半数が日本人、残りは国内の大学で学んでいるアジアやアフリカからの留学生であった。

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企画部原国際援助協調企画室長

1日目の冒頭では、IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)鷲見所長及びJICA企画部原国際援助協調企画室長が挨拶された。

その後、今回のセミナーの講師であり、様々な国々に対するIMFミッションでミッションチーフを務めた元IMF職員のDr. Jerry Schiffによる講義が行われた。同氏は、IMFの成り立ちや業務、さらに「ファイナンシャル・プログラミング(Financial Programming:FP)」及び「債務持続性分析(Debt Sustainability Analysis:DSA)」といった経済分析ツールなどを用いたIMFのマクロ経済分析について、自身の経験も踏まえつつ話された。

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スピーカーDr. Jerry Schiff(写真提供:IMF)

1日目の講義終了後、受講生たちはそれぞれ4つのグループに分かれ、課題として与えられたブラジルの経済状況について、実際にIMFのスタッフレポートに掲げられているデータを基にグループディスカッションが行われた。そして、2日目の冒頭にて、グループディスカッションの結果を踏まえ、各グループによるプレゼンテーションが行われ、続けて全体での質疑応答の時間が設けられた。

JICAからは、審査部和田部長が講義。開発協力の国際的潮流とJICAの役割、IMFと連携して実施したJICA協力事業を紹介した後、直近のカメルーン出張を具体的事例にJICAがどのように開発途上国のマクロ経済状況や信用リスクを分析しているか説明した。
最後に、国際協力銀行(JBIC)からも同機関のケースについて発表されセミナーが幕を閉じた。

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審査部和田部長

今回のセミナーでは、受講生が積極的にグループディスカッションに参加し、プレゼンテーションでは各チームが独自のアイデアを凝らしながら素晴らしい発表を行い、大きな成功を収めたといえる。これは受講生がJICAの研修施設を利用し、深夜までプレゼンテーションの準備を行うなど非常に熱心に準備に取組んだためである。受講生からもIMFエコノミストの仕事を追体験できた今回の企画は大変勉強になった、また今回のようなセミナーをぜひ自分たちの国でも開催して欲しいといった声も聞かれた。本セミナーは、第2回目を年明け、第3回目を来年の春頃に予定している。

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フォトセッション(写真提供:IMF)