より良い復興に向けて−メキシコでの復興セミナーの開催−

2017年12月5日

2017年12月5日、JICAはメキシコシティにて「Build Back Better(より良い復興)(注)に焦点を当てたメキシコの復興セミナー」を実施し、日本の復興経験や災害対策をメキシコに紹介しました。2017年9月に起きた2度の地震で計400名以上が亡くなったメキシコ。Build Back Betterの考え方を施策に反映することで、災害前より強靭な社会を実現していくことの重要性を確認しました。

2017年9月の地震の被害、更なる地震のリスク

メキシコでは、2017年の9月7日にチアパス州ピヒヒアパンの沖約87kmで発生したM8.2の地震、また9月19日にモレロス州アソチアパンから南東約12kmを震源として発生したM7.1の地震により、合わせて400人を超える方々が犠牲となり、数千の建物が損壊しました。

一方、メキシコでは、今後更に大きな規模の地震の発生リスクがあると言われています。よって、今後の復興に際し、より一層地震に対して強靭な社会を構築していくことが重要となっています。

この促進のため、JICAは10月により良い復興に向けた協力可能性を検討するための調査団を派遣した結果として、メキシコ国際開発協力庁(AMEXCID)、内務省と共同で、日本の復興経験や技術を共有するためのセミナーを開催しました。

セミナーのメッセージ−より良い復興に向けて−

本セミナーでは、一般財団法人日本地域開発センターの西川総括研究理事が阪神・淡路大震災や東日本大震災からの復興経験と次の災害に備えた学校や市庁舎等の公共建築物の耐震化促進の事例を紹介し、「自然災害を減らすことはできないが、社会の脆弱性を低減させることは可能」と力強く訴えました。

また、名古屋市役所防災危機管理局の石倉主査は地震に強い水道管等基礎インフラにおける災害対策等の自治体による防災の取り組みを紹介するとともに、市民への啓発を含めた社会全体としての防災対策の重要性に言及しました。

メキシコ国立防災センター(CENAPRED)のカルロス・バルデス所長は、過去の地震の発生履歴をもとにメキシコにおける高い地震のリスクを皆が認識した上でより良い復興を進めていく必要があること、被害を減らすためには日々の備えが重要であることを強調しました。

より強靭な社会の構築のためには、官民双方の知見をあわせて取り組むことが重要です。今回、セミナー会場に隣接して展示ブースを設置し、日本企業の技術の紹介を行い、多くのメキシコ側参加者が訪問しました。

今回のセミナーは、200名以上のメキシコの中央・地方政府、学術研究機関、民間企業等の参加を得て、Build Back Betterの考え方を反映した復興の重要性を共有することができました。本セミナーを共催したメキシコ国際開発協力庁の(AMEXCID)のガルシア・ロペス長官は、日本に対し、改めて国際緊急援助隊救助チームの派遣への感謝の言葉を述べるとともに、メキシコの復興への支援に期待を示しました。JICAでは、Build Back Betterに基づくメキシコの復興が進むよう、引き続きメキシコへの支援を検討していきます。

(注)Build Back Better(より良い復興):災害の発生後の復興段階において、次の災害発生に備えて、より災害に対して強靱な地域づくりを行うという考え方(平成27年版 防災白書)。JICAは、第3回国連防災世界会議(2015年)で採択された「仙台防災枠組 2015-2030」にて提唱されたBuild Back Betterのコンセプトに基づく協力を展開している。

関連リンク

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200名以上のメキシコ側関係者が参加したセミナーの様子

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日本の復興経験を説明する西川氏(真ん中)及び石倉氏(左)

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地震発生リスクの認識の重要性を訴えるカルロス・バルデス博士