フィールド、国際機関、各国大使館も大注目!アビジャン紛争コミュニティの社会統合調査報告会

2018年2月15日

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準備した座席がすべて埋まるほど大盛況でした

2018年2月15日(木)、JICAコートジボワール事務所は「大アビジャン圏における社会統合の現状・課題・潜在的リスクに関する社会調査報告会」を実施しました。2010年の大統領選挙に発端する政治危機による内戦を経験したアビジャンのアボボ市とヨプゴン市。これら両市に対してJICAが行なっている社会統合プロジェクトによって、どのように社会統合の形相が変化しているのか?われわれ支援者は何をすべきなのか?そして何に留意をすべきなのか?

国際調査機関、現地シンクタンク機関を通じて実施したこの調査の結果を発表したのが今回の報告会でした。報告会には、国際機関や住民グループ、ローカルNGO、自治体関係者や中央省庁の高官まで、プロジェクト関係者のみならず、社会統合支援にかかわる様々なアクターのみなさん78名が参加。後半の質疑応答・意見交換では、さまざまな立場から両市の直面する課題に対する対応策や、行政・支援者に向けた提言などが活発に飛び交い、盛況のうちに幕を閉じました。

住民間の信頼回復及び社会統合の促進のために

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様々な立場の方から質問や活発なコメントがありました

コートジボワールでは2010年の大統領選挙に発端する政治危機により、経済首都アビジャンでも、現体制支持派と旧体制支持派の対立が、住民同士の敵対・迫害行為やインフラの破壊にまで波及し、大きな問題となりました。特に大きな影響を受けたのが、特に貧困層が多く住み、社会構造も複雑なアボボ及びヨプゴンの両市でした。それぞれ人口が100万人を超える、とても大きなエリアです。

2011年に事態は収束を迎えますが、住民同士の争いの禍根は残り、早急な関係改善が必要な状況でした。これにかかり、コートジボワール政府は社会インフラ整備を通じた住民間の信頼回復及び社会統合を促進するための支援をJICAに対して要請、2013年から2016年の間、技術協力プロジェクト「大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急支援プロジェクト(以下、COSAYフェーズ1)を実施しました。アボボ市及びヨプゴン市の行政機関と住民が協力し、修復すべきインフラを選定、さらにその修復作業を住民の参加を得て行うことで、民族や宗教、支持政党を超えた住民のプラットフォームが築かれ、住民間の信頼回復に一定の効果を挙げました。

その後、同プロジェクトの成果・手法を両市のなかでより体系的に普及し定着させていくことを目指す「COSAYフェーズ2」の実施が先方政府から要請されています。またJICAは、貧困層をより多く抱えるアボボ市などのエリアで、母子保健など基礎的社会サービスを改善するための活動を今後さらに展開予定です。

こういった協力の実施に先立ち、両市における社会統合の進展と残された課題、そして今後の支援にあたって考えていかなければならないことなどをより明確化することを目的に、国際調査機関Interpeace及び現地シンクタンク機関Indigo Côte d’Ivoireの協力の下、社会調査を実施したものです。

現在の社会統合の様相は?それを阻んでいる問題は?

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調査を実施した研究者が質疑応答に対応

社会調査は、両市男女合わせて述べ700人以上の人に対して行われ(男性:女性=4:6)、調査を通し、社会的混乱を招く原因となりうるポイントが見えてきました。調査の結果はあまりに多面的、複雑で、簡単にまとめることは難しく、詳細は下記リンクの報告書にゆだねたいと思いますが、今後支援者として配慮すべき大きなキーとして、「若者から老年まで、様々な民族、様々な地区の住民、様々な立場の人が議論の場に参加できるプラットフォームの必要性」、「平等で透明性のある行政システムの確立」が提言されました。

より一層の社会統合に向けて(社会調査報告結果ページのリンクも紹介)

今回の社会調査結果をもとに、コミューンにおける行政と住民、住民間の信頼回復、コミュニティの安定と生活環境の改善などに寄与する支援を行うことが期待されています。