2018年4月18日
会議名:三角協力に係る国際会議への参加について
開催日:2018年4月17日~18日
共催:OECD開発協力局、ポルトガル政府
場所:ポルトガル・リスボン
登壇者:
・ホルヘ チェディエック:国際連合南南協力事務所代表兼事務総長特使
・テレサ リベイロ:ポルトガル外務省外務協力長官
・ホルヘ モレイラ ダ シルバ:OECD開発協力局長
・アナ シウチ:アルゼンチン外務省国際協力部部長
・オマール チョウクリー:在ポルトガル・エジプト大使館二等書記官(G77+Chinaの代理スピーチ)
・室谷 龍太郎:JICA企画部国際援助協調企画室副室長、など
本国際会議は、三角協力に携わる実務者及び政府関係者の意見交換を目的にOECDとポルトガル政府が2013年より隔年程度の頻度で開催しており、今回で3回目。
今回の会議は、2019年3月開催の「南南協力に関するハイレベル国連会合(BAPA+40)(注)」に向けて三角協力の付加価値、定義等を検討する機会を持つことを目的に開催された。JICAからは、企画部国際援助協調企画室・室谷副室長が三角協力に関するGPIに関するセッションの全体モデレーターとして登壇し、議論の取りまとめに貢献した。
参加者は、主催者のOECD開発協力局とポルトガル政府カモンイス言語・国際協力機構(Camoes)の他、アルゼンチン(外務協力省)、EU(DEVCO)、ドイツ(GIZ)、インドネシア、日本(JICA)、メキシコ(AMEXCID)、モロッコ(AMCI)、ノルウェー(FK Norway)、タイ(TICA)、トルコ(TIKA)、国連南南協力事務所(UNOSSC)、SEGIB、CPLP、FAO、IsDB等から80名以上。
(注)BAPA+40:南南協力の端緒のひとつとされる1978年のブエノスアイレス行動計画(BAPA)から40周年の機会に開催される国連主催の国際会議。南南協力の新たな枠組みに合意する機会とされる。
(1)チェディエック国連事務総長特使兼UNOSSC代表が基調講演で、BAPA+40で南南・三角協力に関する原則が合意されることへの強い期待を表明した。具体的には、SDGs達成への南南・三角協力の貢献、実施手段、報告の形式、三角協力と南南協力の補完性、国連を含む国際的な枠組みのあり方等を重要課題として提示した。また、会議参加者に南南・三角協力の有効性の発信やBAPA+40に向けたプロセスへの参加を呼びかけた。
(2)会議では、民間セクターも含めて多様なアクターが三角協力の有用性を認識していること、特に三角協力が知見共有の機会を提供することが高く評価されていることが確認できた。参加者の間では、BAPA+40の機会に、南南・三角協力とODAとの補完性や付加価値の明確化、更なる好事例の共有、取組みの重複等を回避し情報共有を容易にするための実施原則の合意等への期待が高いと感じられた。G77+Chinaのステートメントからも、三角協力への一定の評価が感じられた。
(3)GPIに関するセッションを通じて、JICAがコア・グループの一員として立ち上げたGPIを広く紹介し、賛同を広めることが出来た。今後、3つのワーキンググループ( 1. Advocacy、2. Analytical、3. Operational)が実施していくことが合意され、BAPA+40に向けたGPIの活動計画が明確になった。
(4)中南米、アジアの多くの参加者からはJICAの南南・三角協力への貢献に高い評価が多数寄せられた。また、GIZ、スペイン、ポルトガル、OECD開発協力局、OECD開発センター等が民間セクターや地域機構との協力しながら三角協力への取組みを強化している様子が確認できた。
三角協力に関するGPIセッションでモデレーターを務める室谷副室長
三角協力に関するGPIセッションの様子
集合写真