IMF主催、JICA協力セミナー「Initiative for Macroeconomists of the Future エコノミスト養成プログラム:第3回「マクロフレーム」」の開催

2018年5月10日

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セミナーの様子(写真提供IMF)

2018年5月9日~10日の2日間にかけて、JICA東京にてIMF主催、JICA協力による第3回「Initiative for Macroeconomists of the Future:エコノミスト養成プログラム」を開催しました。本プログラムは、主に国際経済・開発分野を専攻し、国際機関等への就職を希望する学生を対象にしており、IMFのマクロ経済分析のアプローチやIMFの具体的な業務を伝えていくことを目的にしていますが、JICAの講義では、実際の事例を用いながら、JICAがIMFの経済分析をどのように活用しているかを紹介しています。

これまでの2回は大学院生を対象に英語で講義を行っていましたが、今回は、主に大学3~4年生を対象(一部大学院生含む)に日本語で実施し、22名もの学生が参加しました。本プログラムは毎回定員枠を大幅に超える応募があり、学生の関心の高さがうかがえます。また、毎回日本で学ぶ海外からの留学生が多く参加しており、今回もペルー及び中国国籍の学生が参加するなど、参加する学生側も、国際色豊かなプログラムです。

1日目の冒頭には、IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)鷲見所長及びJICA企画部井本国際援助協調企画室長が挨拶しました。

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IMF OAP鷲見所長(写真提供IMF)

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企画部井本国際援助協調企画室長(写真提供IMF)

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セミナー講師 石井詳悟氏(写真提供IMF)

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プレゼンテーションの様子(写真提供IMF)

その後、導入セッションとしてIMF-OAPの日本人職員よりIMFの役割について説明した後に、今回の主講師を務められたIMF元職員の石井詳悟氏により講義が行われました。
石井氏は、IMFが実際に用いている各種分析ツールを紹介し、それらに基づき、参加者はマクロ経済の目標及び必要な政策選択について議論を交わしました。

1日目の最後には個別事例として、ベトナムのIMFスタッフレポートを用い、参加者はベトナムの経済状況、見通し及びリスクを把握する上でマクロ経済データをどのように活用していくのかを学習しました。その上で、参加した学生は4つのグループに分かれて、ベトナムのケースの分析を自分たちで行いました。グループによっては深夜にまで及ぶディスカッションを経て、2日目の冒頭には、各グループがそれぞれの分析結果を紹介し合い、質疑応答では非常に活発な議論が行われました。その後石井講師からは、それぞれの分析に関し、コメントがなされました。

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東・中央アジア部工藤主任調査役(写真提供IMF)

JICAからは、東・中央アジア部東アジア課工藤主任調査役が講義を行いました。JICAの概要及び開発政策借款を紹介後、個別事例としてモンゴル経済危機とJICAの対応を説明しました。

参加した学生からは、経済学の実践を体験でき、IMFスタッフから直接話を聞くことができ大変勉強になった、またグループディスカッション及びプレゼンテーションを通して様々な視点を得ることができたとの声が聞かれました。
次回のセミナーは6月に京都で実施する予定です。

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集合写真(写真提供IMF)