2018年6月28日
国際協力機構(JICA)、環境省と横浜市は、6月26日から28日にかけて、モロッコの首都ラバトにおいて、モロッコ王国政府、国連環境計画(UNEP)、国際連合人間居住計画(UN-HABITAT)等と共催の下、「第一回アフリカのきれいな街プラットフォーム年次会合」を開催しました。同会合には、アフリカ32か国(注1)の廃棄物担当官、モロッコから内務大臣、エネルギー・鉱山・持続開発省大臣、外務・国際協力省閣外大臣、日本から伊藤忠彦環境副大臣、武藤めぐみJICA地球環境部長等、総勢約250名が参加し、プラットフォームを通じたアフリカのごみ問題解決に向け、廃棄物分野における1)開催国モロッコの知見の共有、2)データ収集とモニタリング、3)官民連携、4)資金動員をテーマに発表と活発な議論が行われました(注2)。最終日には、本年次会合の成果とプラットフォーム活動のさらなる促進を確認するラバト宣言(注3)が、満場一致で採択されました。
会合では、アフリカ廃棄物分野のJICA事業のカウンターパートや専門家により、各国でのJICA事業による経験や知見が多数報告されました。また、日本企業から各社の環境技術や取組を紹介するセッションを設けたほか、日本企業、アフリカ各国の環境教育分野の青年海外協力隊員、共催機関等による展示パネルを通じた活動紹介も行われました。
アフリカの都市部では、経済成長と急激な人口増加に伴いごみ問題が深刻化しています。人々の健康な暮らしを実現し、持続的な成長を続けるためには、都市の生活環境の改善に向けた取り組みは喫緊の課題です。「アフリカのきれいな街プラットフォーム」は、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)のフォローアップの一環として、都市の廃棄物に関する各国の知見・経験の共有、資金動員、持続可能な開発目標(SDGs)の推進(注4)を目的とし、研修やセミナー、データ収集・整備、情報発信などの活動を通じ、SDGsの目標年である2030年に「きれいな街と健康な暮らし」がアフリカで実現することを目指しています。
引き続き、来年横浜で開催予定のTICAD VIIに向け、JICAはより多くの国や都市のプラットフォーム参加を促しつつ、各国政府とパートナー機関が一致団結した形でのアフリカのごみ問題解決とSDGs達成への協力を推進していきます。
(注1)アンゴラ、ベニン、ボツワナ、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コモロ、コートジボワール、ジブチ、コンゴ民主共和国、エジプト、エチオピア、ガーナ、ギニア、ケニア、レソト、マダガスカル、マラウイ、モロッコ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、ナイジェリア、コンゴ、セネガル、南スーダン、スーダン、タンザニア、トーゴ、ザンビア、ジンバブエ
(注2)「アフリカのきれいな街プラットフォーム」公式Facebookページにて会合の模様を閲覧可能。
(注3)「ラバト宣言」:知見の共有、各国市民の意識向上、廃棄物分野におけるSDGs指標達成に向けたモニタリング、安全かつ環境に配慮した廃棄物管理の実施の確保、政策や組織、技術の強化、官民連携と投資促進、2019年TICAD VII横浜開催に向けた都市開発及びクリーンで持続可能な都市の分野での協力を強化していくことを本年次会合参加国間で合意・宣言したもの。
(注4)本プラットフォームで取り組む廃棄物に関する主な目標とターゲット
目標11(持続可能な都市):包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
11.6 2030 年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
目標12(持続可能な生産と消費):持続可能な生産消費形態を確保する
12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
UNEP、UN-HABITAT等のパネリストによる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた意見交換が行われました
開催国モロッコの廃棄物管理の現場(中間処理・最終処分)の視察状況
アフリカ環境分野の青年海外協力隊員による展示パネルを通じた活動紹介
会合最終盤にラバト宣言が満場一致で採択されました