2018年7月6日
竹谷公男上席国際協力専門員は、防災が開発の基礎であり、各国が災害リスクや状況に応じて、構造物対策と非構造物対策を適切に組み合わせる必要性を強調しました。
2018年7月3日から6日にかけて、モンゴル国ウランバートルにて、「アジア防災閣僚級会議(AMCDRR)」が開催されました。AMCDRRは、アジア及び大洋州地域におけるリージョナル・プラットフォーム会合で、今回は2015年に仙台防災枠組2015-2030が開催されて以降2回目の開催となり、50か国以上から約3,000人が参加しました。
JICA地球環境部 防災グループは、大臣級が参加する実質的な議論の場として最上位であるテクニカル・セッションのうち、「防災への事前投資」において、企画段階から中心的な役割を果たしました。また、セッションでは竹谷公男上席国際協力専門員が基調講演を行い、防災への事前投資を推進するための地方防災計画策定の重要性(グローバルターゲット(e)への貢献)が最重要であることを従来どおり強調し、これによりセッション全体の方向性が明確となり、各国防災機関のリーダーシップへの期待を改めて示しました。
モンゴル政府主催のセッション「災害に強靭なインフラの強化及び都市の強靭化」においても、パネリストとして各国の災害リスク及び守るべきインフラに応じた、実現可能な防災への事前投資とそのための計画策定の重要性を発信し、ターゲット(e)への貢献策として、JICAが作成した「地方防災計画の策定及び普及に係る実践指針」を説明しました。
また、2018年3月に就任した水鳥真美防災担当国連事務次長補兼事務総長特別代表(以下「SRSG」)と意見交換を行い、インドネシア、フィリピン等の防災機関に派遣されている長期専門家同席のもと、各国の防災の取り組み状況や課題を共有し、UNISDR(現:UNDRR)のトップに、実践的な各国の現状を認識頂く機会を持てました。これにより日本人SRSGとしてパフォーマンスへのサポートとなったほか、UNISDR(現:UNDRR)・JICAの連携が強化されました。
AMCDRRでは成果文書として、「ウランバートル宣言」及び「2018~2020年の行動計画」が採択され、JICAは現地で最終化の議論に直接関わりませんでしたが、事前に日本政府を通じてコメントを伝えており、これがほぼ反映されました。
この他、AMCDRRには、社会基盤・平和構築部の都市・地域開発グループ及びジェンダー平等・貧国削減推進室、東北センター等が参加して、サイドイベント等のパブリックフォーラムに参加しました。