「ベトナム・ミャンマー投資環境情報セミナー -現地派遣専門家による最新情報の紹介-」を開催しました

2018年8月28日

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専門家によるプレゼン

国際協力機構(JICA)は8月23日(木)、JICA市ヶ谷ビル国際会議場にて「ベトナム・ミャンマー投資環境情報セミナー -現地派遣専門家による最新情報の紹介-」を開催しました(後援:国際機関日本アセアンセンター、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、独立行政法人中小企業基盤整備機構(SMRJ))。同セミナーには、両国に投資している、もしくは投資を検討している民間企業や関係機関等から、約210名が参加し、両国に対する高い関心が示されました。

冒頭、産業開発・公共政策部の中村部長による開会挨拶では、投資促進におけるJICAの役割や、現地訪問時の印象も交えて両国の発展に寄与する投資に期待する旨が述べられました。続いて同部民間セクターグループ第一チーム田中参事役より「JICAの民間セクター開発協力について」と題して、特にベトナム及びミャンマーでの民間セクター分野での協力案件の紹介と、投資促進関連で企業が活用可能なスキームとして(1)投資促進分野の専門家、(2)日本センター、(3)各種海外展開支援メニューの紹介がありました。

ベトナム計画投資省(MPI:Ministry of Planning and Investment)外国投資庁(FIA:Foreign Investment Agency)に派遣されていた矢代博昭前専門家からは、(1)ベトナムの投資環境(政治、経済、投資)、(2)新しいビジネスチャンス、(3)ベトナム政府の課題(投資環境上のリスク、JICAの取り組み)、という3項目に整理する形で発表がありました。(1)同国の政治体制の最新状況に加え、経済は2018年上半期の名目GDP成長率が7%を超える等2011年以降過去最高の成長率となっていること、投資は海外直接投資(FDI:Foreign Direct Investment)が前年同期比6%増、日本からの投資も既に68億ドルと高水準であることが共有されました。(2)最新動向として、輸出加工型から内需主導型への脱皮(eコマースの拡大含む)、間接金融から直接金融(株式市場を通じた資金調達)への移行期が紹介されました。(3)課題としては、共産党政権というベトナムならではの特徴にも関連して、行政システムの高度化、政府意思決定プロセスの迅速化、市場経済への移行と南北格差等に触れるとともに、関連分野に関するJICAの支援状況等が紹介されました。

ミャンマー計画財務省(MOPF:Ministry of Planning and Finance)投資企業管理局(DICA:Directorate of Investment and Company Administration)に派遣されている上田隆文専門家からは、社会情勢、経済・投資統計情報、進出時窓口情報、投資関連法制度、当該国進出の魅力、工業団地情報、課題や留意点等について発表がありました。またODAにより包括的な支援を行っているティラワ経済特別区、JICAの支援で作成され閣議決定されたミャンマー投資促進計画の実施を通じた投資環境整備の見通し、今月施行されたばかりの会社法、中国との関係性等にも触れながら、最新の状況について紹介されました。

質疑応答セッションでは、ベトナムに関しては、再生可能エネルギーの容量拡大見込みや、自動車自国生産拡大見込み等について関心が寄せられました。これに対し、供給サイドに立った経済政策により、成長ポテンシャルが制限されてしまっている一面があること等が議論されました。ミャンマーに関しては、ティラワ経済特別区以外の状況や空港等インフラ整備状況等について関心が寄せられました。なお参加者からは、現地の省庁に入り込んでいるからこそ見える専門家の視点を共有してもらえたことで、現地の事情がよく理解できたという声が多く聞かれ、類似セミナーの継続的な開催に対する期待が寄せられました。

JICAでは、日本企業からの関心の高い地域を中心として、各種スキームを活用して途上国の経済発展に寄与するだけでなく、現地に進出している、もしくは進出を検討している企業が活用可能なメニューを提供していくとともに、今回のようなセミナー等の各種イベントを継続的に実施していく予定です。

発表資料等

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