2018年10月19日
会議名:中南米からのジャーナリストと日本の学生交流プログラム「私が見る中南米と日本」
開催日:2018年10月19日(金)
主催:上智大学/独立行政法人国際協力機構(JICA)共催セミナー
場所:東京
中南米からのジャーナリスト、大学生、研究者、大使館等関係者 計53名
上智大学と国際協力機構(JICA)共催で、国際協力機構(JICA)の招聘で来日した中南米からのジャーナリストと、中南米に留学経験のある学生や中南米からの留学生による報告、グループディスカッションを通して、相互理解を深めることをめざしたセミナーを開催しました。ジャーナリストは、アルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、ドミニカ共和国、メキシコの7か国からそれぞれ1名づつ、7名が参加しました。
【第一部】上智大学生による発表「中南米・日本に留学して変わったこと」
中南米に留学した2名の日本人学生と中南米からの留学生から、留学先での経験に基づく発表がありました。日本人学生からは、中南米地域の多様性の豊かさや明るく独自のリズムで生きる人々に魅了された体験など様々な視点からの経験の共有がなされました。また、中南米からの留学生は、日本に対して感じていたステレオタイプ的なイメージが、日本が持つ様々な価値に対する共感へと変わっていった様子をユーモアを交えて語りました。
【第二部】グループディスカッション「日本と自国」
グループディスカッションでは、上智大学の学生および一般参加者を合わせ2つのグループに分かれ、「日本と自国」について、各参加者からそれぞれの経験に基づいたエピソードが語られました。
グループディスカッションの様子
アルゼンチン、エルサルバドル、メキシコからのジャーナリストが参加したグループでは、大学での教育から環境への配慮の状況、異国での生活を経て変化したこと、異国を訪れる前後でのその国に対する認識の変化などディスカッションのテーマは多岐に渡りました。
また、ブラジル、エクアドル、ドミニカ共和国、コスタリカからのジャーナリストのグループでは、日本とラテンアメリカ各国の文化的アイデンティティや公共でのマナー、政治や平和などに対する意思表明の違い、そして女性の社会進出に関わるジェンダー論など、こちらも多様なテーマで異文化理解を深めるための意見が交わされました。
グループディスカッション参加者から、このような様々な差異の発見・認識こそが、異文化理解への第一歩であるとの感想を得ました。そして、アルゼンチンから参加したジャーナリストからは、「異文化理解は、お互いのいずれも完璧ではないことを理解したうえ、一方的ではない、相互に協力できる関係の構築であり、我々ラテンアメリカの人々の視点に立ち国際協力を行うというJICAの姿勢にも通ずると思う。」とのコメントがありました。
歓談風景
グループディスカッションの後、幡谷則子上智大学外国語学部イスパニア語学科長より、「現地で生活をし、人々と直接話すことは異文化理解につながり、それと同時に自国文化の再発見や理解を促すこと」という講評が述べられました。また、細野昭雄JICA研究所シニア・リサーチ・アドバイザーからは、「両グループで話されたテーマはどれも国際協力の現場で課題となるものであり、日本の協力はまさにその課題を克服し、持続可能な成長を支えるものであること」が強調されました。最後に、上智大学の学生および中南米・カリブ諸国のジャーナリストへ向けて、本日の意見交換を契機に、また、自国でも発信いただき、引き続き「日本と中南米の絆を深める架け橋を築き、相互理解のもと成長していく関係性を築いてほしい」というメッセージが伝えられ、プログラムが締めくくられました。
集合写真