2018年11月28日
会議名:持続可能なブルー・エコノミーに関する国際会合・サイドイベント「アフリカにおけるブルーエコノミーの推進-水産開発を通じて」
開催日:2018年11月28日(水)
主催:JICA(国際会合はケニア政府主催、日本政府及びカナダ政府共催)
場所:ケニア、ナイロビ:ケニヤッタ国際会議場(Kenyatta International Convention Centre:KICC)
11月26日から28日までの3日間、ケニア政府主催、日本及びカナダ政府共催の「持続可能なブルー・エコノミーに関する国際会合(Sustainable Blue Economy Conference)」がナイロビ・ケニヤッタ国際会議場で開催。JICAはアフリカにおけるブルー・エコノミーの推進の鍵となる水産分野を取り上げたサイドイベントを実施し、パネルディスカッションを通じて、アフリカの水産開発の現状と課題、JICAの協力経験などを共有した。
「ブルー・エコノミーの推進」は、2012年に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)で提唱され、その後、国連機関や世界銀行などがブルー・エコノミーの定義や開発方針などを発表しています。「ブルー・エコノミー」の定義は必ずしも統一されていませんが、共通認識として、海洋・内水面(河川、湖)の資源の有効活用と環境保全、これら水域に関連する社会経済開発の強化により、雇用創出や産業振興に裏打ちされた持続的な発展を目指すものと捉えられており、水産、海運・輸送、貿易、観光、エネルギー、環境など多岐にわたる分野を対象としています。また、これらを跨る包括的な取組が必要とされています。特にアフリカにおいては、アフリカ連合(AU)の長期ビジョン「アジェンダ2063」や2016年8月に初めてアフリカ大陸(ナイロビ)で開催されたTICAD第6回会合の成果文書「ナイロビ宣言」でブルー・エコノミーの重要性が言及されています。
JICAは世界各地域において、ブルー・エコノミーの関連分野で、日本の島国としての経験も踏まえた開発協力を行ってきています。特に水産分野については、漁業だけでなく観光や環境保全も視野に入れた協力を展開しています。
このサイドイベントでは、JICAと協力・連携経験のあるケニア、セーシェル、タンザニアと地域国際機関・NGOの有識者が、(1)国としての政策・戦略、(2)漁業インフラ整備、(3)新たな可能性としての養殖、の3つの観点から、事例の紹介とパネルディスカッションを行いました。
モデレーターを務めた杉山俊士国際協力専門員は議論を総括し、各国・機関がそれぞれの自然条件や経済・社会的状況に応じたブルー・エコノミー政策の策定や具体的なプロジェクトに取り組む中で、水産分野を軸としながら包括的・総合的なアプローチを進めようとしている点を取り上げ、持続的な開発における水産開発の意義、可能性を強調しました。
参加者は熱心にメモをとったり、パネリストに次々と質問、コメントを行い、関心の高さが窺えました。
JICAは、2019年8月に開催予定のTICAD7も視野に入れ、アフリカにおけるブルー・エコノミーの推進に貢献していきます。
オープニングリマークスを行なうJICAケニア事務所佐野所長
パネルディスカッションの様子
プレゼンテーションを行なう杉山俊士専門員
満席となった会場