フィリピン・バンサモロ新自治政府設立に向けた「バンサモロ・フォーラム」の開催

2018年12月11日

概要

会議名:バンサモロ・フォーラム
開催日:2018年12月11日
主催:在フィリピン日本大使館、UN(JICAフィリピン事務所共催)
場所:フィリピン・マニラ首都圏マカティ市(会場:JICAフィリピン事務所)

主な参加者

  • MILF(モロ・イスラム解放戦線)イクバル和平パネル団長
  • OPAPP(和平担当大統領顧問室)タン次官・比政府側和平パネル団長
  • 羽田大使
  • 北岡理事長(ビデオメッセージ)
  • 国連シルワンダー常駐調整官代行
  • COMELEC(選挙委員会)パレーニョ委員長
  • ARMM(ムスリム・ミンダナオ自治地域)アムパトゥアン計画局長
  • その他、国連機関、世銀、EUに加え、米、独、西、ノルウェー、豪、トルコ、マレーシア等の二国間ドナーが参加。

背景・目的

国際社会に対して、バンサモロ新自治政府設立に向けたフィリピン政府とMILFの取り組みを共有するため、2018年12月11日にJICAフィリピン事務所にて「バンサモロ・フォーラム」が開催された。
フィリピンのミンダナオ島南西部と島嶼部に新自治政府を設立するバンサモロ基本法が本年7月に成立したことを受け、来年1月21日及び2月6日に、新自治政府の領域確定のための住民投票が予定されている。同領域確定後、バンサモロ暫定移行政府(BTA)が設立され、2022年の新自治政府設立を目指した準備が進められる。

内容

本フォーラムでは、住民投票の準備状況、バンサモロ暫定移行政府・新自治政府への移行に向けた準備状況、MILF兵士の武装解除・退役・社会復帰等の取組事項について、比政府、MILF、ARMM等からの発表と質疑応答が行われた。参加者のプレゼンテーションを通じて、各事項の最新状況が社会を含む関係者に広く共有され、移行準備が円滑に進んでいることが確認でき、プロセスの透明性の向上に貢献した。
会議の冒頭、北岡理事長よりビデオメッセージで、緒方元理事長が2006年にMILFキャンプを訪れて以降、日本政府とJICAが継続的にミンダナオ和平への支援に取り組んできたことや、ミンダナオ和平が東アジア・東南アジア地域の平和と安定に大きく寄与すること、協議を通じた信頼醸成に期待することを伝達した。
緒方理事長のキャンプ訪問後、日本政府はコタバトに本部をおく国際監視団(IMT)にJICA職員を継続して派遣し、2012年にはアキノ大統領とムラド議長の歴史的な成田会談を調整・実現した。比政府とMILFの和平交渉への日本政府のコミットメントに基づき、JICAはバンサモロ自治政府へのスムーズな移行を目的に、バンサモロ包括的能力向上プロジェクトを6年間にわたり実施してきている。また、農場と市場をつなぐ道路建設、コミュニティ開発支援など、同地域の社会経済開発に資する協力を行ってきた。JICAは、引き続き、同地域の平和と安定のための協力を続けていく。

【画像】

羽田大使による冒頭挨拶。100人以上が集まった。

【画像】

北岡理事長によるビデオメッセージ。

【画像】

「バンサモロ新自治政府に向けた移行」セッション。プレゼンターのBTC事務局・MILFアリ氏、OPAPPパパ次官補、ARMMアムパトゥアン局長(三名とも移行調整チームのメンバー)と司会のJICA佐野企画調査員。

【画像】

「正常化プロセス」セッション。左から、プレゼンターのIDBホランド副代表、OPAPPタン次官(比政府和平パネル団長)、MILFイクバル和平パネル団長と、司会のUNDPクマール・シニアアドバイザー。

【画像】

「住民投票とBOL(バンサモロ基本法)承認」セッション。住民投票についてプレゼンするCOMELEC(選挙委員会)パレーニョ委員長。

関連リンク