2019年8月9日
一般公開セミナー名称:メコン流域の流域管理と森林保全 -パートナーシップを通じた気候変動対策への挑戦-
開催日:2019年8月9日 9:00~12:30
主催:JICA地球環境部 森林・自然環境グループ
場所:竹橋合同ビル8F JICA多目的会議室
一般参加者の他、コンサルタント、NGO、学術関係、民間企業等 約90名
国立研究開発法人土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM) 小池 俊雄 センター長
メコン河委員会(MRC)本部、各国のメコン河委員(カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム)および対話国(ミャンマー)からの招へい者
JICA情報収集・確認調査チーム(株式会社建設技研インターナショナル)幡野 貴之 総括
サントリーホールディングス株式会社 コーポレートサステナビリティ推進本部
サステナビリティ推進本部 内貴 研二 専任部長
公益財団法人 イオン環境財団 山本 百合子 事務局長
このセミナーは、JICA地球環境部にて2017年12月~2019年9月まで実施中の「メコン流域の流域管理・環境保全に係る情報収集・確認調査」の一環で開催しました。この調査は、メコン流域5カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)の森林資源状況の変化、流域環境変化について、統合的な視点で情報を収集・整理し、将来の気候変動の影響予測などの分析を行い、今後の課題や対応策を整理することを目的としています。セミナーを通じて、本調査の成果を広く一般に公開すると共に、メコン流域にかかる水資源管理、流域管理への関心を醸成することをねらいとして開催しました。
基調講演として、水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)小池俊雄センター長から、メコン流域における気候、水循環、森林、土砂流出のつながりについて分かりやすく説明いただいたことで、その後の本件調査団からの成果発表がより理解しやすいものとなりました。
調査団からは、本調査の成果のひとつであるメコン流域の30年分の森林被覆図の作成から得られた森林減少の激しい地域の分析、気候変動の影響予測に基づく水資源管理の視点からみた脆弱な地域の分析が発表され、これらの結果を踏まえた今後の提言が示唆されました。
調査は、カウンターパート機関であるメコン河委員会本部、各国のメコン河委員(カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム)および対話国(ミャンマー)と協働で進められましたが、本セミナーに合わせて各機関から代表者を招へいし、各国の流域管理計画や実施体制、現状や課題等について発表いただきました。
この調査が対象とする森林資源管理や水資源管理の分野においては、政府予算やODAのみならず、企業CSR、ESG投資、森林認証制度、REDD+など民間セクターの関与が期待されていることから、本セミナーでは、国内や海外で森林資源管理や水資源管理に関連する活動を展開する企業の取り組みも紹介しました。サントリーホールディングスからは、サントリーグループの「水理念」およびその取り組みについて、また公益財団法人イオン環境財団からは、「イオンの森づくり」を通じた持続可能な社会の実現についてそれぞれ発表いただき、参加者からは積極的な質問が寄せられていました。
基調講演を行うICHARM小池センター長
会場からは積極的な質問が出ました
調査団とメコン河委員会からの招へい者たち
ベトナム中央高原コントゥム省の農地転換された山肌の様子
調査団がカンボジア現地調査中に遭遇した野生の象