第6回自治体等水道事業関係者勉強会の開催

2019年12月6日

概要

JICAは、2019年12月5日、6日の2日間に亘り、水道分野の国際協力における、国内自治体等による水道協力の多様な取り組みや事例を共有し、それぞれの事業の改善に役立てることや自治体による国際協力への参画を活性化させることを目的に、第6回自治体等水道事業関係者勉強会(以下、「本勉強会」)をJICA関西にて開催しました。

本勉強会は2013年度に第1回勉強会を開催して以降、中部、横浜、九州、東京と日本全国で定期的に開催しています。今回は国内各地の水道事業体や世界各国で活動中のJICA専門家、JICA職員等の関係者約100名(TV会議による参加を含む)が参加しました。

内容

本勉強会の初日は、水道分野におけるJICAの最近の取り組み状況を共有した後、「本邦研修を実施する上での工夫」と「水道局内におけるノウハウ継承・人材の育成」という2つのテーマの下、大阪市水道局、札幌市水道局、横浜市水道局(及びJICA)から事例の紹介がありました。

大阪市水道局では、近隣の4自治体と連携し、それぞれの自治体の強みを活かした研修を実施していることや、サポートチームを組織して研修員の課題解決を支援し効果を上げていることについて報告がありました。また研修員に能動的な学びを促すアクティブラーニング手法をJICA東京から紹介した他、海外からの研修員受入という場を自治体職員の人材育成に活用している事例が札幌市水道局から紹介されました。横浜市水道局からは、局内に国際協力専門委員会を組織して国際協力人材の育成に取り組んでいることが紹介されました。

二日目には神戸市水道局から様々な事業を活用して民間企業と連携した国際協力事業を実施している事例紹介があった他、北九州市上下水道局からは草の根技術協力事業を実施してきた経験談や実施上の工夫について発表がありました。

二日間に亘って実施したグループディスカッションでは、「自治体内で国際協力への理解を広げるための工夫」と「国際協力事業の市民への還元」という二つのテーマについて、活発な意見交換が行われました。様々なバックグラウンドを持つ参加者間での議論を通じ、参加者からは「他の自治体でも国際協力を実施する上で同じような悩みや課題を抱えていることを知ることができた」、「国際協力を実施している自治体間で顔の見える関係を築くことができた」といった声が聞かれました。

午後には神戸市水道局の奥平野浄水場を視察し、高低差のある神戸の地形を活かした配水システムについて知見を深めました。また、阪神淡路大震災の復興事業の一つでもある大容量送水管の立坑と、これらのシステムを一元的に監視・制御するコントロールシステムを見学しました。

JICAは今後もSDGs達成のために国内の自治体や関係機関との更なる連携強化をめざし、各地域の特性や強みを活かして途上国の課題解決に貢献するとともに、成果の積極的な対外発信を強化していきます。

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勉強会の様子

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現場視察後、神戸市水の科学博物館前にて