【インタビュー】前・カンボジア日本センター調整員 加文字信子さん−人をつなぐ情報センターに

2011年5月23日

【画像】2006年2月に設立されたカンボジア日本人材開発センター(CJCC)。「ビジネスコース」「日本語コース」「相互理解事業」の3本柱のみならず、外部事業にも積極的に乗り出し、自立性の高い運営を実現しています。
今回、09年4月〜2011年4月までCJCC調整員を務めた加文字信子さんが帰国したことを機に、CJCCの事業内容や、これからのCJCCのあり方について聞きました。

−CJCCは留学フェアをはじめ、企業からの受託事業など、外部事業にも積極的ですね。まず留学フェアについて教えてください。

【画像】日本への留学生招致を目的とする留学フェアは、08年にカンボジアで初めて開催され、以来アジアで毎年行われています。開催国と日本からの参加大学も毎年増え続け、2010年度はアジア5ヵ国で開催。カンボジアでは8大学がブースを出展し、800人もの人が訪れました。今回は特に日本の大学から、カンボジアの教育事情や教育レベルについて知りたいという要望が多く寄せられたので、現地の教育機関や大学との交流の機会を設け、情報交換のみならず、共同研究や大学間の連携に話が発展することもありました。こういったメリットが多くなれば、今後も日本からの参加希望校も増えて、事業の発展性も高くなると言えます。
また、センターの図書館に大学の募集要項やパンフレットなども設置するようにしています。資料を置いておくとすぐになくなってしまうほど、学生は留学に強い関心を持っています。特に奨学金の情報は、自費留学が難しい現地の人々にとって非常に重要です。

−現地の日本留学への関心は相変わらず高いわけですね。また、最近は日本企業の進出も盛んで、企業との連携が進んでいるようですね。

【画像】私が赴任した2年前に比べ、最も大きく変わった点は日本企業の進出数で、現地の人を採用しようという動きも大きくなっています。そのため、最近は低迷気味だった日本語の人気も再び高まりつつあります。
カンボジアに進出している日本企業をバックアップするため、CJCCでは「日本語コース」の中に、日本語と併せて日本の企業風土やビジネス習慣について学べる「ビジネス日本語コース」を設置しています。カンボジア人の中には、日本企業に就職しても文化や考え方の違いからすぐに辞めてしまう人もいるため、非常にニーズの高いコースです。
また、日本語コースとは別に、「企業ビジネス日本語コース」というものも受託事業として実施しています。これは、カンボジアに進出している日本企業から依頼をいただいて、その企業で働く上で必要な日本語について学ぶ、オーダーメイドの教育カリキュラムを提供するものです。日本企業の進出が進む中で、一社あたりの採用人数も増えてきたことからニーズが出てきた事業と言え、今後も拡大が期待できます。

【画像】またこの他にも、本田財団が、科学技術分野で優秀な学生に授与する奨学制度「YES(Young Engineer and Scientist)奨励賞」の運営や、国際交流基金が実施している「日本語能力試験」の運営も受託しています。さらに、日本企業からの依頼を受けて、日本人がカンボジアのビジネス習慣を学ぶための、カンボジア企業でのインターンシップ事業の運営にも取り組む予定です。
これらの事業は、カンボジア人スタッフが中心となるように運営しており、資金面でも人的側面でも、CJCCは自立性を高めていっていると言えます。

【画像】今、カンボジアでは中国と韓国の進出が盛んで、特に韓国は音楽やドラマを輸出して、多様なビジネスを展開しています。この動きに負けないよう、CJCCは今後も学生への情報発信を強化するとともに、日本企業との連携を深めてカンボジア進出をサポートしていく、日本とカンボジアの人々を結ぶ情報センターであって欲しいです。