【インタビュー】前・UJC業務調整員・木村亜未さん−ウズベキスタン日本センターは日本の顔

2011年9月5日

ウズベキスタン・日本人材開発センター(UJC)は、2000年12月1日、ウズベキスタンにおけるJICA初のプロジェクトとしてスタートしました。07年には累計利用者数が25万人を突破し、UJCはウズベキスタンの人々に広く開かれたセンターとして大きな役割を担っています。08年7月から2011年7月までの3年間、業務調整員としてUJCに赴任していた木村亜未さんに、UJCの事業内容と運営に際して工夫した点、そして今後どうあるべきかについて聞きました。

−UJCの取り組みについて教えてください。

UJCは、他の日本センター同様、ビジネスコース、日本語コース、相互理解促進事業の3本柱に取り組んでおり、さらに、聴覚障害者のためのコンピューターコースも開催しています。私はこれら全ての事業が円滑に行われるよう業務調整に取り組み、総務や人事、財務面で事業全体にかかわりました。

UJCでの業務について語る木村さん

センターの具体的な活動内容として、例えば相互理解促進事業では、折り紙教室や茶道教室、映画やアニメの上映会などをこまめに開催し、小さいながらも事業を頻繁に行うことで、できるだけ多くの人に日本に接する機会を提供するよう努めています。

また、聴覚障害者のためのコンピューターコースでは、まずワードやエクセルなどの基本的な操作を学んだ上で、視覚的な能力を生かしてもらうために、グラフィックソフトを使ったデザインを学ぶ授業を行っています。今までに延べ700人以上がここで学びました。

この他にも、ウズベキスタンの学生に日本留学の情報を提供する大学説明会や日本留学フェアも開催しています。

−運営に際して、どういった点を工夫しましたか。

JICAによる日本センター事業として将来的な自立が問われるようになった中で、できるだけ収益を上げられるように努力しました。

例えば、これまで無料だった折り紙教室などの相互理解促進事業で、わずかですが参加費をいただくようにしました。留学フェアでも、出展する大学からは参加費をいただいています。

また、ビジネスコースと日本語コースについても、収支のバランスを見ながら少しずつ受講料を上げるようにしました。こうした値上げにも関わらず、ウズベキスタンの人々の日本語学習への関心は高く、応募者数が減ることはありませんでした。また、ビジネスコースについても、ウズベキスタンで唯一の実務に特化した民間ビジネススクールであるためか、その人気は衰えず、常に定員を2倍ほど上回る申し込みがあります。

その他に、企業から助成をいただくケースもあります。例えば、聴覚障害者のためのコンピューターコースでは参加者から受講料を一切いただいていないのですが、授業で使うOSやプログラムについて、マイクロソフト社から2万5,000ドル相当のソフト使用料の助成を受けています。
 また、東芝国際交流財団から日本語の教科書を買うための助成金をいただいたり、日本ウズベキスタン協会を始めとする日本国内の団体から、センターの行事で使用する資機材を寄贈いただいたこともあります。

−資金面だけでなく、人材面での自立性も高めていますね。

これら財政的な自立に加え、人的な自立にも力を入れています。センターが開所して10年。大体の事業はナショナルスタッフで運営されています。また、ビジネスコース、日本語コース、コンピューターコースの講師も、現地の人が務めるようになっています。

さらに、それぞれのコースを修了した人に向けて講師を育成するためのコースも設けており、そのコースを修了した人が講師になるケースも出てきています。

−今後、事業を運営する上で重要な点について教えてください。

まず、外部から何らかの支援をいただく際には、どのような事業を行い、どういった成果を上げたかを報告する義務が生じるということを肝に銘じる必要があります。さらに、留学フェアなど有料で請け負っている事業については、お客さまに満足いただくために、費用に見合うだけのものを作り上げていかなくてはなりません。そのためには、スタッフ一人一人に「質の高いサービスを提供していく」という自覚を持ってもらうことが重要です。

UJCはウズベキスタンにおける最大の日本の情報発信拠点であり、日本の顔です。スタッフには、その誇りを持って事業に取り組んでもらいたいと思います。