富士通×日本センター−グローバルビジネスリーダー育成に向けた海外研修を協働で実施

2011年9月12日

【画像】富士通(株)では、グローバルビジネスリーダーの育成を目的に「グローバル実践知リーダー育成プログラム(Global Wisdom Program)」を実施しています。このプログラムは、グローバルリーダーとしての基本要素を3ヵ月にわたり学ぶ“コアカリキュラム”と、海外拠点で1年半にわたり実践を積む“プラクティス”からなり、コアカリキュラムには、日本と米国でグローバルビジネスリーダーとしての基礎を学ぶ座学研修と、新興国の企業やNGOに赴いて現場経験を積む実践研修があります。
 第一回となる今回、コアカリキュラムにおける実践研修はモンゴルとカンボジアで行われ、派遣先となる企業やNGOとのコーディネーションを日本センターが請け負うこととなりました。現地での研修を終えて日本に帰国した社員に、研修の感想を聞きました。

異文化交流スキルの習得目指す

【画像】新興国での実践研修は「相互学習プログラム(MLP: Mutual Learning Program)」と呼ばれています。その内容は、2週間にわたり富士通社員を新興国の企業やNGOに派遣し、現地の社員と設定したプロジェクトのテーマについて、解決策を検討するというものです。
このプログラムを担当するグローバル・ナレッジ・インスティテュート(GKI)の鱸裕子さんは研修の目的として、「現地の人々との議論や共同作業を通じて、互いにものの考え方やビジネスのやり方を学び合うこと、さらに現地におけるICTポテンシャルや活用ニーズの可能性を探ることです」と語り、「研修の実現には、モンゴルとカンボジアに事務所を持ち、現地事情に明るい日本センターの協力は不可欠でした」と事業を振り返りました。

ハード系の商品が主流のマーケット

【画像】モンゴルには現地でトップクラスの家電量販店2店に、製造業系の営業が専門の武田伸さんと、デスクトップパソコンの設計開発が専門の浅野英洋さんを派遣。
両社の経営陣と、ビジネスを拡大していく上での課題や人材の育成について議論を交しました。
 研修を通じて感じたモンゴルの特徴について、浅野さんは「現地では単価の高い冷蔵庫やテレビ、パソコンなどをローンで購入する人が目立ち、店内に銀行のコーナーがあってすぐにローンが組めるようになっていました」と、現地の人々の金銭感覚や買い物の仕方が日本と全く違う様子を紹介。

【画像】武田さんも「モンゴルではまだモノ(ハードウェア)に対する需要が高く、ソフトウェアにお金を払うという感覚があまりありません」と日本との違いを指摘しました。その上で「モンゴルでも“ITを使って何ができるか?”(=人々の使い方)を考えるようになると、モンゴルのIT市場に新たなビジネス・チャンスが生まれるのではないでしょうか。」と語りました。

伸び盛りの市場に大きな期待

【画像】カンボジアには、マイクロファイナンスなどに取り組んでいるNGOと、コンピューター関係機器を輸入販売するIT企業に、金融機関への営業が専門の中嶋威彦さん、アジア太平洋地域でのビジネス推進が専門の立石雅紳さん、生体認証の研究開発が専門の安孫子幸弘さん、サーバー開発が専門の西周平さんを派遣。
生体認証の活用法、事業拡大に向けた課題や、スタッフのモチベーションを上げ高い離職率をさげるためにはどうすればよいか、といった点について議論されました。

カンボジアで感じたことについて、中嶋さんは「カンボジアの人はなかなか本音を出してくれないので、繰り返し議論を重ねるようにしました。」と努力の様子を紹介。立石さんは「ポル・ポト時代の虐殺の影響で若い世代が多い中、社会全体に活気があり需要が大きく伸びていて、市場として非常に魅力があります。」と語ってくれました。

【画像】続けて安孫子さんは「彼らは生体認証の装置を含めて、電化製品を外国から買ってきてそのまま使うことしかしないため、知識が限定的です。生体認証で何ができるのか、様々な使い方をお伝えするようにしました。」と専門性を存分に生かした活動の様子を解説。西さんは「彼らの多くはITスキルを海外で学んでおり、国内および社内の教育体制を整備することが今後の課題です」と、人材育成の重要性を指摘しました。

人材育成が今後の発展のカギ

モンゴル、カンボジア両国で共通して取り上げられた経営課題として、離職率の高さが挙げられました。「仕事の進め方について、目標を立ててその達成具合やプロセスをきちんと評価していくこと、さらに人材育成体制を整え、会社への帰属意識を高めることが重要ではないでしょうか。」

【画像】最後に鱸さんは「この研修の一番の狙いは、日本とは全く環境が違う中で、相手の置かれている状況を理解しながら、困難な課題でも、これまで培ってきた知識と経験の全てを駆使して解決策を提示する能力を身に付けることでした。モンゴルやカンボジアで得た経験は、これから世界で活躍していく上で、間違いなく役立つと思います」と手応えを語ってくれました。