キルギス民族大学との共催事業 在留邦人向け「キルギス理解講座」開講!

2012年5月16日

現在キルギスの在留邦人は約130名、キルギス共和国日本人材開発センター(KRJC)の多くの活動は、在留邦人の協力に支えられています。一方で、これまで、在留邦人のみを対象とした講座の開講はありませんでした。日本センターの使命の一つは、相互理解の促進です。そこで、日本センターであるからこそ提供できる、キルギスについての理解を深める講座を在留邦人対象に開講しよう、ということで、2012年4月18日と27日の2日間に渡り、カウンターパート機関であるキルギス民族大学(KNU)との共催により、「キルギス理解講座」を開講しました。

テミール共同所長による、政治に関する講義の様子

第一部の4月18日は「歴史・文化・伝統」について、27日の第二部は「政治・経済・教育」についてと、講座は二部に分けて実施しました。この講座の目玉は何と言っても現役の大学講師陣による、それぞれ特定分野に関する講義です。各日、語学研修の一環として参加したJICAの新ボランティア3名を含む合計10名の参加を得ましたが、

参加者からは大学講師陣の講義に関して、「本から得る情報以外の話を聞く事ができて有益だった」という声が聞かれました。

「マナスチ」ルスバイ氏がマナスを実演している時の様子

その他、第一部で実施した、キルギス映画の日本語字幕付きでの鑑賞とマナスチ実演も非常に好評でした。歴史・文化・伝統の講義と合わせ、映画の解説も担当してくださった民族大学の歴史学部のエラリエフ講師によると、1980年代に製作された映画には、キルギスの伝統や文化を如実に表す良い作品が多いということですが、それらの多くの作品は一般市場で購入できるものは非常に少なく、英語字幕対応のものは皆無に近いということです。今回講座の中で紹介した映画は、趣旨に同意してくれたテレビ局から特別に購入したものに、日本センターが独自に日本語字幕を付けたもので、その邦訳は「語り継がれる愛の物語」とされた、チンギス・アイトマートフの「一世紀よりも長い一日」を原作として作られたものです。40歳以上の年齢差のある悲恋を軸に、当時の遊牧生活・部族間の争い・慣習・タブー等、キルギスの文化を理解するKRJI0516.JPG上で重要な要素がふんだんに織り込まれた名作と呼ばれる映画の一つだということでしたが、参加者には男女の掛け合いで歌われる数々の歌や、不条理にも思える当時のしきたり等が印象に残ったようでした。

「マナスチ」というのは、50万行あると言われるキルギスが誇る口承伝説「マナス伝説」を語り継ぐ役割を担う人物ですが、講座では全世界に現在15人しかいないという真のマナスチのお1人にお越しいただき、マナス伝説の一部分の語りを披露していただきました。その迫力ある語りを間近で見聞きすることができたということはもちろんのこと、マナスチは夢の中で神のお告げを受けた選ばれた人物であるというお話などが非常に興味深かったという声が多く聞かれました。

日本人に対してキルギスについての理解を深めるような講座を実施するという初めての試みとなりましたが、「真の相互理解」のためには有意義な取り組みであったと実感しています。今後、反省点を改善しながら新しい趣向も凝らし、継続して実施していければと思います。