【インタビュー】前・カザフスタン日本センター所長 三苫英太郎さん

2012年11月6日

2009年5月〜2012年10月13日までカザフスタン日本センターの所長を務めた三苫さん。在任中に特に力を入れた取り組みや、「カザフスタンは日本にとって外交面で重要な国」というお考えなどを聞きました。

−在任中に特に注力されたことは。

現地での業務を語る三苫さん

今回はプロジェクト・フェーズ2の最終の期間、つまり現地スタッフが中心となり日本センターを運営していく「現地化」前の最後の任期に当たりました。2000年のプロジェクト開始以来、日本センターは現地における「日本の顔」としての存在感を強めてきましたが、今後もそのように在り続けられるよう、スタッフ教育に力を入れてきました。

具体的に取り組んだのは、管理職制度の導入です。これまで10数人のスタッフを3つの班に分けていましたが、各々の責任の所在があいまいでした。そこで各班ともリーダーを決め、上司への相談や部下への指導などを徹底して行いました。うまく行かない部分もありましたが、2010年の導入後、スタッフの意識は確かに変わってきたと思います。例えば私の帰国間際に議論した際、各スタッフが管理職制度の意義について自らの意見を述べるなど、彼らの成長が垣間見えました。

そのほか、対外的には、阿部専門家とともに、日本企業の現地進出を支援してきました。「日本企業の何が現地の人たちにとって魅力的なのか」を常に考えながら、研修などを通して日本の多面的な良さを現地の人に理解してもらえるよう努めてきました。

−日本にとってカザフスタンの魅力は。

省エネセミナーの様子

カザフスタンは、市場としてのみならず、外交上で非常に重要な国だと思います。

中央アジアでは、ウズベキスタンと並ぶ大国として大きな影響力があります。さらに2010年に欧州安全保障協力機構(OSCE)の議長国に選出され、ヨーロッパの首脳たちを集めるなど、外交面でも注目すべき取り組みをしています。カザフスタンと関係強化していくことで、日本の国際社会での地位向上にもつながります。それからもちろん、石油をはじめ多くの資源の産出国ですので、資源外交の側面からも重要ですね。

また、ロシア、中国という二つの超大国に挟まれ苦労をしてきた歴史があるので、第三国として日本と関係を深めていくのは、カザフスタンにとってもメリットがあります。

ただ、残念ながらカザフスタンにおいて日本は、まだまだ「遠い国」というイメージです。パナソニックやソニーのような優れた企業と高い技術力、第二次世界大戦後に奇跡の復興を遂げた国として認知されてはいても、同国内の邦人は100人程度。疎遠な国という感じは否めません。ただ、東日本大震災時には多くの報道がなされ、多額の寄付を送ってくれるなど、概して日本に対して友好的です。今後、もっと多くの日系企業が進出し、日本のプレゼンスが上がっていけば、と思います。

−今後のカザフスタン日本センターの運営について教えて下さい。

これから現地スタッフが中心となり運営をしていくこととなりますが、任期終了前には国際交流基金やJICAキルギス事務所長、またカザフスタン経済大学学長と協議し、今後の運営方針や組織の在り方について青写真を描いてきました。そして、運営状況のチェックのため、運営委員会が開かれるほか、JICAの短期専門家も定期的に派遣するなど、しっかりとした体制を整えてきたと思います。

日本の企業の方々などには、ぜひ今後とも日本センターを温かく見守り、活用していっていただきたいですね。