【研修レポート】大阪の経済人から熱い期待−ミャンマー日本センター所長が大阪商工会議所会員と懇談会

2014年4月2日

2013年8月の設立から約半年が過ぎたミャンマー日本センター。すでに多様なビジネスコースが開講され、多くの現地企業人が集う場所となりつつあります。

2月22〜28日、同センター所長と同国の商工会議所連盟の副会頭を兼任するミィオ・テットさんをはじめ、センター幹部スタッフや商工会議所連盟の幹部など5人が本邦研修参加のために来日。東京や関西のさまざまな経済団体と意見交換を行いました。

そのうち、24日は大阪商工会議所で大阪の経済人との懇談会が開催されました。日本センター幹部に対し大阪側の参加者からは現地の人材育成に関する鋭い質問が次々と投げ掛けられました。

ミャンマ-日本センター幹部たちが到着するや否や、名刺交換がはじまった

薄曇りの空の下、少し暖かくなった午後2時。大阪市中央区にある大阪商工会議所本部の一室から談笑の声が聞こえてきました。ここに集まったのは大阪商工会議所国際ビジネス委員会の委員長を務める丸紅株式会社執行役員の橋本雅至さんや会員企業の役員、ジェトロ職員など、ミャンマーに強い関心を抱く大阪の経済人たち。

そこへ、前の用件が長引いたため少し遅くなった日本センター幹部たち一行が、息を切らしながら入ってきました。彼らが入室するなり始まったのは名刺交換。両者が互いに抱いている関心の高さを感じさせました。

あいさつを行う橋本さん

定刻より10分ほど遅れて始まった意見交換会では、まず橋本さんがあいさつ。「ミャンマーには現在、世界から注目が集まっているが、大阪でも同様に関心は高まっている。大阪商工会議所は1995年にミャンマー商工会議所と経済関係強化の協定を結び、交流を進めてきた。12年には視察ミッションを派遣し、覚書を改定しさらなる関係強化を図っている」と説明。さらに、昨年に立ち上げたミャンマー勉強会には、さまざまな企業から延べ100社に上る参加者が詰め掛けたと明かしました。続けて橋本さんは、「私の所属する丸紅を含め日本の商社3社は現在、ミャンマー政府とともにヤンゴン南東にあるティラワ工業団地の開発を進めている。同工業団地を整備することによって、日本企業の進出の促進に貢献できればと思う」としつつ、「現地への進出に際しては、現地の産業人材の育成・確保が欠かせない」と指摘し、日本センターの人材育成事業への強い期待をにじませました。

一方、ミャンマー側からは、ミィオ・テットさんがミャンマー商工会議所連盟について「1919年の設立という長い歴史を誇り、現在はミャンマーの経済界を代表する組織となっている。日本センターに対しては、オフィスを貸しているほか、傘下の事業団体などを通じて、情報発信などを支援している」と説明。

さらに、日本センターの現状について「昨年8月の開所以来、すでに23の研修コースを実施し、のべ733人の研修生が参加している。コースには定員の倍に上る応募者があり、コース終了後のアンケートなどを見ても、参加者の9割以上が『良かった』という評価をしてくれている」と述べ、「今後はさらに日本との関係を強化し、日本センターを発展させていきたい」と決意を語りました。

日本側から活発な質疑がなされた

その後の意見交換では、ミャンマーでのビジネスを真剣に検討している日本の経済人からの、実践的な質問が相次ぎました。

「研修に参加しているのは、将来的に日本企業に勤めたいと考えている人か、あるいはすでに日系企業で働いている人なのか」。まず投げ掛けられた問いに対し、ミィオ・テットさんは「参加者の多くは現地企業に勤めており、日系企業の社員は2割ほど。しかし、将来的に日本とビジネスをしたいという希望に燃える若い起業家も多く足を運んでいる」と答えました。

続いて、日本側からは「ティラワ工業団地の整備が進展するにつれ、日系企業の現地人材需要は数的に増加するとともに、求める能力も多様化すると思う。日本センターでは、日本企業の要望に合わせた人材紹介などはしてくれるのか」と質問。ミィオ・テットさんは、「現時点ではまだ難しいが、将来的には取り組みたい」としつつ、「現在は経営計画や人材活用などの経営に関するコースのみだが、今後はそれ以外の分野に関する研修も検討していきたい」と今後の抱負を述べました。

さらに、「今後、日本企業が現地でパートナー企業を探す際に、日本センターから情報提供をしてもらうことは可能か」という質問に対しては、「まだ確定はしていないものの、私としてはぜひ積極的にやりたいと考えている」とミィオ・テットさんは答えました。

意見交換の後、参加者の一人である公益財団法人大阪産業振興機構の豊岡賢二常務理事は、「海外での事業経験が少ない日本の中小企業が現地進出を目指す際に求めるのは、日系企業のパートナー、あるいは日本の経営手法を理解している現地企業のパートナーだ。まったく日本について知らない現地企業と連携するのはハードルが高い」としつつ、「現地の産業人材に日本の経営手法を教えている日本センターの活躍に期待している」と述べました。

集合写真

多くの企業人から熱い注目を集めるミャンマー。その期待に応えていくことができるか。同国日本センターの挑戦はまだ始まったばかりです。