キルギスでのビジネスチャンスを探るセミナーをJICAと共催−キルギス日本センター

2014年7月31日

セミナーの様子

中央アジア・キルギス共和国のビジネスや投資環境を紹介するセミナーが、国際協力機構(JICA)とキルギス日本人材開発センター(KRJC)の共催により、東京、大阪、札幌の3か所において開催されました。7月9日(水)、JICA市ヶ谷で開催されたセミナーでは、約70名の参加者の下、同国のビジネスや経済の現状のほか、今後発展していく上での課題に関するJICAの調査結果を報告。同時に、調査を踏まえて、日本企業にとってビジネスチャンスはどこにあるかを紹介しました。

セミナーでは冒頭、JICA東・中央アジア部の柳沢香枝部長が「内陸国であるキルギスの発展のため、JICAは道路・空港など輸送・物流関連や、農業分野についての支援を行ってきました。またビジネスの振興や貿易・投資の促進も重要な課題です。日本ではまだ同国に対する関心は必ずしも高くありませんが、本日のセミナーが同国に対する理解を深める一助になれば幸いです」とあいさつしました。

駐日キルギス大使館特命全権大使リスベク・モルドガジエフ氏

続いて、駐日キルギス大使館特命全権大使のリスベク・モルドガジエフ氏が、同国の概要について「2013年にはGDPが2012年比10%増、海外からの直接投資額が同1.7倍となるなど、農業や工業分野を中心に着実に成長を続けています。日本との関係も、2004年の駐日大使館設立、『中央アジア+日本』対話の開始からちょうど10年の節目を迎えました」と強調。今後も日本企業との関係を強化したい考えを示しました。

大和総研アジア事業開発本部金子弘之部長

その後、JICAの調査を実施した大和総研の担当者が、調査結果を中間報告。調査の総括を務めた同社アジア事業開発本部の金子弘之部長は「ビジネス環境を見ると、労働コストや電力料金、法人税が安く、競争環境が激しくない一方、内陸国であるため物流コストが高く、金利コストも高い点が課題です」と指摘。現在調整を進めているロシアやカザフスタンとの関税同盟への参加が決まれば、市場拡大を通じて輸出増や雇用機会の向上も期待されていると解説しました。

その上で、農業・製造業・サービス産業の3つの分野別にそれぞれの調査担当者が、同国のビジネスの現状について分析し、例えば、老朽化した農機のリース業や冷凍食品の生産拠点の設置、現地企業との合弁によるファストフードチェーンの展開など、日本企業にとって有望なビジネスモデルを提案しました。同国では、いずれの分野も小規模事業者が多く、技術や設備も未成熟な点が課題ですが、国民の間には親日的なムードが強く、競争環境が比較的緩やかである等のメリットに触れました。

KRJC共同所長高坂宗夫氏

同国内でビジネス人材の育成などを進めてきたKRJCの高坂宗夫・共同所長は、同センターのビジネスコースやセンターが指導してきた現地の有力企業とのネットワークを紹介した上で、「キルギスは教育水準も高く、日本語の習得も比較的速いなど、人材面では恵まれた環境にあります。進出を考える日本企業にはぜひ協力したい」と話し、今後、KRJCが、ビジネスコースやこれまでビジネスコースを通じて培った現地企業等とのネットワークを活用して日本企業進出支援に注力していくことを説明しました。政府開発援助(ODA)を活用した中小企業等の海外展開支援事業を担当するJICA国内事業部中小企業支援調査課の大塚和哉・企画役も、支援事業を通じて進出企業に協力する考えを強調しました。

会場からは、観光産業の見通しや法制度、中国やロシアといった周辺国との関係などについて活発な質問が寄せられました。参加者にとっては、キルギスのビジネス動向を知る上で貴重な機会となったようです。また、KRJCの強みや日本企業進出支援サービスについてアピールする良い機会ともなりました。