【研修レポート】日本への熱意をアピール−ウズベキスタン日本人材開発センター修了生が日本のビジネスパーソンと交流

2015年3月12日

2001年の開所以来、ウズベキスタン日本人材開発センター(UJC)ビジネスコースの修了生はすでにのべ9,000名以上に上り、さまざまな分野の企業で活躍しています。今回は、修了生の中から選抜された10名とUJCスタッフ2名が2月14〜24日にかけて日本に滞在。大阪と東京で研修を行ったほか、日本のビジネスパーソンと交流するセミナーに参加しました。

20日午後、東京で開催されたビジネスセミナーでは、企業関係者など34人が詰め掛け、活況を呈しました。冒頭のあいさつを行ったJICA産業開発・公共政策部の村上裕道次長は、まず、「今年1月にウズベキスタンからルスタム・アジモフ第一副首相が来日し、安倍晋三首相と会談を行った」と紹介。「日本とウズベキスタンの経済関係は、これまで円借款が中心だったが、現在は双方の企業が合弁会社を設立して共に事業に取り組むといった動きが進んでいる」と語り、両国の関係強化への期待を表明しました。

発言するアリシェル通商経済担当参事

登壇した藤田代表取締役社長

プレゼンテーションをするヴィチェスラフ社長

ブレイン・ハブ社が制作した若者向けTシャツ

外国人向けツアーなどに取り込むイント・ベスト・グローバル・トレード社のマリカ・ルスタモワ外国賓客受入部門長は、日本語でプレゼンテーションを行った。

金属・繊維などを取り扱う貿易会社マルカズサノアテクスポルト社マーケティング部門のバボティール・サイドフさんは、「ウズベキスタン人は時間にルーズと言われるが、もし我々を呼んでくれれば、必ず時間通りに行く」と発言し、会場の笑いを誘った。

続いて、駐日ウズベキスタン大使館のアリシェル・アブドゥサロモフ通商経済担当参事官は、同国の経済の現状について説明しました。「ウズベキスタンは、近年は8パーセント以上のGDPの伸び率を保ち、対外負債も少なく財務は健全。世界銀行が発行する世界各国のビジネス環境に関する報告書『Doing Business』では、過去2年間で30項目において順位を上げた」「さらに海外直接投資の促進を目指し、経済特区で外国企業に対する税の優遇などを行っている」と同国の魅力を訴え、日本企業の積極的な進出を呼び掛けました。

次に登壇したのは、2006年からUJCビジネスコースの講師を務めている株式会社戦略コンサルティング・ファームの藤田忍代表取締役社長。藤田さんは10年間弱、現地に通い続けてきた経験を通して、「ウズベキスタン人は、ホスピタリティーが高く親日的。また、大学進学者が多く、知的レベルも高い」と指摘。さらに「経済成長に伴い、人々の生活レベルが向上している」と、今後の市場としての可能性を強調しました。一方、実際に現地に進出するに当たっては、「現地では質の高い調査会社や、戦略策定ができるコンサルタントを容易に利用することは困難。そのため、ジェトロや大使館の情報を積極的に活用するとともに、自分の目で市場を確かめることが重要」と指摘しました。

その後、UJCビジネスコースコーディネーターのシュフラット・カルディバエフさんと総務部コーディネーターのバルノ・イスラモワさんがUJCの事業内容の概略を説明した後、10人のUJCビジネスコース修了生によるプレゼンテーションが始まりました。

まず、家具の生産・販売で15年の実績を持つアートメーベルグループのボビール・ハイブラトフ最高財務責任者(CFO)は、「当社は15年前に設立され、オフィス用の家具の生産・販売を行ってきた。さらに、2013年に、事業多角化のため、ジャムの生産販売を始めた」と説明。「ジャムは、海外にも積極的に販売していきたいと考えており、海外の食品見本市にも積極的に出展している。2015年3月に開催される日本の食品見本市『FOODEX JAPAN』にも参加する予定だ」と語りつつ、「機会があれば、ぜひ当社のブースにお越しいただきたい」と訴えました。

また、ITサービスを行っているティルスディリング社のヴィチェスラフ・カン社長はまず、「広報ツールとしてWebサイトを積極的に活用している会社は手を挙げて下さい」と参加者に問い掛け、参加者の注意を引き付けました。続けて、「当社は、ウズベキスタンで最も人気のある無料広告ポータルサイト『Torg.com』を運営している」と語り、「ウズベキスタンでの事業展開において、ポータルサイトを積極的に活用していきたい会社は、ぜひ当社の『Torg.com』を利用してほしい」と呼び掛けました。

また、ブレイン・ハブ社の共同創業者、アルツール・パク代表は最初に、同社が事業の一環として制作した若者向けのTシャツを参加者に見せて、起業家支援を中心とする同社の事業概要を説明。さらに、「日本には、例えば視覚障害者を誘導するため道路に設置された黄色のブロックなど、ウズベキスタンに持っていけばそのままビジネスになりそうなものが多くある」と指摘。そして、「今後は、日本にも当社の認知度を高め、『ウズベキスタン人と日本人の共通点は、年長者を大切にする文化と、ブレイン・ハブ社のサービスを使っていること』と言われるくらいにしたい」と抱負を述べました。

そのほか、医薬品や繊維、貿易・観光業、ガラス加工など、さまざまな分野の事業に取り組んでいる修了生からも、ユーモアと熱意に満ちたプレゼンテーションを行い、セミナー終了後は、参加者と彼らの名刺交換や意見交換が活発に行われました。

今年1月のアジモフ第一副首相の来日を受け、両国関係のさらなる強化が見込まれる中、今回のセミナーを通して両国のビジネス分野での協働へ向けた動きに一段と弾みがつくことが期待されます。