2015年3月12日
「きょうを守る」上映会の様子
2015年3月11日、モンゴル日本センターにおいて、岩手県陸前高田市出身のジャーナリスト菅野結花さん制作の東日本大震災ドキュメンタリー映画「きょうを守る」の上映会を行いました。これは、昨年東京外国語大学に休職留学していた当センターのスタッフと菅野さんの交流を通じて実現したものです。
岩手県陸前高田市出身の菅野さんは、山梨県立大学在学中に起きた東日本大震災により、故郷が大きな被害を受けました。震災直後から様々な学生ボランティア活動に関わっていましたが、そのうちの一つで、震災前から「やまなし映画祭」のボランティアスタッフとして参加していたことが、「きょうを守る」を作るきっかけになったとのことです。菅野さんは、大学卒業後は岩手日報社に就職、釜石市勤務の記者として活躍しておられます。今回の上映会は平日の昼間であったにも関わらず、50名以上の方々にご参加頂きました。上映に先立ち、亡くなった多くの方々への鎮魂と、モンゴルの皆さんからお寄せ頂いた多くの支援への感謝、そして両国の絆(きずな)がさらに深まることを祈って、1分間の黙とうを行わせて頂きました。
震災に際しては、モンゴル政府より物資や義捐金(ぎえんきん)と共に、12名の緊急援助隊が宮城県に派遣されたほか、全公務員とウランバートル市役所職員の1日分の給与も寄付頂きました。また、大変多くのモンゴルの国民の皆さまからも暖かいご支援を頂きました。モンゴル日本センターにも義捐金を携えて慰問にお越しになる方が絶えなかった、とのことです。
黙とうをささげる参加者たち
実はモンゴルでは、感謝の言葉を繰り返すことも、感謝をことさらに求めることもあまりありません。それは、広大で厳しい自然の中で暮らすうちには、時には助け、また時には助けられる立場にもなる、だから、あなたに起きたことは自分にも起き得るのだという、長年の経験から来るものだ、という話を聞いたことがあります。人が人を、国が国を支援するとはどういうことなのか。互いに支え合うとはどういうことなのか。黙とうをささげながら、そんなことを思いました。上映会は、「花は咲く」のビデオを流して終了しました。