高校生向け進路説明会−カンボジア日本センター

2015年9月8日

初日に行われたパネルディスカッションの様子

去る8月28、29、30日の3日間に渡り、昨年度に引き続き高校生向け進路説明会がカンボジア日本センター(CJCC)にて開催されました。1日目が講演会やパネルディスカッション、2日目、3日目が大学、企業等への訪問ツアーという形で行われ、延べ500人以上の高校生が参加し盛況のうちに幕を閉じました。今年度は多くの企業からの協賛・後援を受けることができ、財務的自立性も担保したイベント開催となりました。

ITCで説明を熱心に聞く高校生

1日目はCJCCの絆・ホールをメイン会場とし、多くの企業や大学がブースを出展し、大きな盛り上がりとなりました。普段は話を聞くことのできない政府関係者や現地企業の重役の話に高校生たちは真剣に耳を傾けていました。参加した高校生にインタビューしたところ「企業が考える良い人材について知ることができて有用だった。そして、そのような人材になるためにどのようなことを学び、何をすべきかを知ることもできた」という回答が返ってきました。カンボジアの将来を担う高校生たちにとって、貴重な機会となったようです。

RUAで説明を熱心に聞く高校生

2日目、3日目は、CJCCを飛び出して大学・企業への訪問ツアーが開催されました。2日目の午前中はカンボジア工業大学(ITC:Institute of Technology of Cambodia)と王立農業大学(RUA:Royal University of Agriculture)、午後は拡張工事中のプノンペン国際空港の現場を、3日目は食品メーカーと部品メーカーを見学しました。大学の実際の研究室を回り教授や学生から直接説明を受けたことや企業見学ができたことは、進路を考えるうえで高校生たちにとって大きなきっかけとなったはずです。訪問先のITCでは、このような貴重な機会を設けて下さったセインヒァン博士から次のようなお話を伺えました。「工学の分野は今後カンボジアの発展に際してニーズのある分野ではあるが、高校生にはあまり知られていない。工学部の実際のラボを見学してもらうことで、勉強内容を良く知ってもらい是非入学してもらいたい。」今回の訪問ツアーが、未来のカンボジアの産業発展を担う人材育成に繋がることが期待されます。

3日目に訪問した食品会社での一コマ

今回のイベントの中で印象的だったことは、学生ボランティアの存在です。彼らの多くが昨年開催された説明会に参加し、このイベントの良さを知った上で後輩たちの力になりたいと協力してくれました。イベントの設営や受付、出し物の準備だけでなく、2日目、3日目は高校生たちの引率と大忙しでした。多くのボランティアが参加したこともあり、取りまとめなど多くの苦労もあったということですが、志をもって運営側としてイベントに携わった経験は今後の財産になったはずです。