ハイフォンでベトナム日本センターの研修がスタート−優秀な企業経営者幹部の育成を目指して−

2015年12月9日

開講式出席者の様子

12月7日(月)、ハイフォン人民委員会で、ハイフォン市人材育成研修の開講式が行われました。これは、ベトナム日本人材協力センター(VJCC-ハノイ)とハイフォン人材育成科学技術協会が締結した覚書に基づき、2020年まで実施する研修のスタートとなるものです。同市は2015年から2020年の間に、180名の企業経営者と720名の中間管理職を育成予定であり、VJCCは、中期コース(2〜3か月)と短期コース(2日)をそれぞれ年2回実施します。7日から始まった中期コースでは、JICA専門家を講師に招き、生産管理分野の6科目を1月下旬まで学びます。

ハイフォンは、ベトナム北部最大の港を持つ工業都市。近年は投資環境の改善に力を入れ、多くの外国企業を誘致しています。12月5日(土)には、ハノイーハイフォンを結ぶ全長105.5kmの高速道路が全面開通しました。これにより、今まで2時間半かかった同区間の所要時間は1時間半に短縮され、ハイフォンのさらなる経済発展が期待されています。

ハイフォン人民委員会科学技術局An局長

今回の開講式には、本研修初の受講生となる30名(企業から25名、人民委員会関係者5名)の他、ハイフォン人民委員会副委員長のThoai氏、同委員会科学技術局長のAn氏の出席もあり、計約70名が参加しました。

まずAn局長から、今回の研修が実現するまでに、ハイフォン市がとった法的措置について説明がありました。続いて、ハイフォン人材育成科学技術協会副会長のTuan氏が今回の研修の背景として、「ハイフォンには2万社の企業があり、人材育成の必要性を感じていたが、研修といえば法律の紹介が多く、人材育成の戦略がなかった。ハイフォンの会社の社長はほとんどが大学を卒業しているが、まだまだ充分な知識を持っているとは言えない。そこで、ハイフォンの主要100社に研修のニーズ調査を行ったところ、2社を除き参加希望との回答があったので、研修計画の作成に至った。研修機関の選定に関しては、充実したカリキュラムと実践的な研修内容からVJCCを選んだ。」と語りました。

VJCC水野チーフアドバイザー

その後挨拶に立ったVJCCの水野チーフアドバイザーは、VJCCが今回の研修を引き受けた背景として、「ハイフォン市の人材育成計画が、JICA/VJCCのベトナムでの産業人材育成計画と一致すること」、また、「同市には多くの日本企業が進出しておりポテンシャルが高い。将来的には日本企業も支援したい」と語りました。

ハノイ人民委員会Thoai副委員長

最後に、ハノイ人民委員会のThoai副委員長は、「ハイフォンは今後、新国際空港や新港の建設、周辺高速道路の整備を控えており、より多くの企業の進出が見込まれる。また、年末にはアセアン経済共同体が発足し、益々ハイフォンの発展が期待されるが、そのためには皆の努力が必要である。是非受講生の皆様には、研修で学んだことを、自社のまたハイフォンの発展に役立てて欲しい。支援を頂くJICA及びVJCCには、ハイフォン人民委員会を代表して感謝の意を表したい。」と述べました。