2015年度本邦研修「カンボジア実践的日本型経営研修」帰国報告会−カンボジア日本センター

2016年1月15日

帰国報告会の様子

2016年1月5日、2015年度本邦研修「カンボジア実践的日本型経営研修」のカンボジア人参加者8名により、カンボジア日本人材開発センター(CJCC)にて帰国報告会が行われました。この研修はカンボジア人参加者を日本に15日間派遣し、日系企業や大学等を訪問することで日本型経営を実践的に学び、カンボジアの仕事環境の改善、さらにはカンボジア経済の発展に寄与するプログラムです。

今回の帰国報告会は、参加者による感想・帰国後実践した活動・今後実践したい活動について発表するかたちで行われました。

大阪工業大学でのワークショップの様子

参加者の一人であるMs. Lormaneenopparat Sarunya(サラ造園社の経営者)は「この研修を通し、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)というキーワードを覚えることが大事なのではなく、このフレーズを学んだ上で現在の状況に対しどう行動を起こすのかを考えることが大切だと学びました」と述べていました。帰国後彼女は、一番身近な家や家族、オフィス等を清掃するところから行動に移したそうです。また彼女が現在学んでいる学校で、学生を対象に研修で学んだことを伝えるプレゼンテーションを行ったとのことです。

パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館で真剣に学ぶ参加者

Mr. Ngorn Moi(王立プノンペン大学ITセンター副所長)は、この研修を通して、人材育成・5S・仕事の効率性を考える(無駄な仕事を省く)という3点を学んだと述べています。松下幸之助歴史館で「松下電器は物をつくる前に人をつくる会社である」という言葉に出会い、衝撃を受け人材育成の重要性が身に染みたそうです。また山岡製作所の作業場を見学し、すべてが整理整頓され綺麗な状態であったことから、5Sの取り組みにより作業効率が上がり業績向上にも繋がると学びました。

ここで挙がっている参加者以外の発表では、5S、仕事の効率性の他に、タイムマネジメント、仕事の効率性、チームビルディング、人材育成、5S、おもてなしというキーワードが多く挙がり、日本型経営を実践的に学んだことで新たな知識を得ることが出来、参加者にとって充実した研修になりました。

山岡製鉄所での集合学ぶ参加者

この研修を通し継続性が必要であると学んだこれまでの研修修了生により、“5Sカンボジアクラブ”が2015年3月に発足しており、メンバー37名で現在も活動を行っています。一人で5Sを会社や組織で取り入れ実践に移していくことはなかなか難しいですが、このクラブで定期的に集まることで、会員間のつながりを深めながらお互いに刺激し合い、カンボジアの仕事環境の改善に取り組んでいます。次回は2016年1月26日に今回の研修の参加者も含めて集まり、2012年の研修参加者Mr. Kuy Vatが経営するPark Cafeへ訪問を行い、5Sカイゼンの実践環境を見学する予定です。