今期第3回経営塾フォローアップセミナー開催〜「ものづくり」をテーマに塾生の工場を視察〜ベトナム日本センター

2016年3月9日

総勢90名が参加し、大盛況となった

2月27日(土)、INOX HOANG VU社にて、今期3回目の経営塾フォローアップセミナーが開催され、約90名もの経営塾クラブメンバー及び第7期経営塾生が参加しました。経営塾とは日本型経営・ものづくりのノウハウの伝承を通じて、ベトナム産業界を牽引する若手経営者を育成する長期ビジネス研修で、ベトナム日本人材協力センター(VJCC)が7年前から実施しています。経営塾の卒業生は169名に達し、経営塾クラブを組織していますが、同クラブの自主的な取り組みとして、フォローアップセミナーが開催され、塾生の自社による取り組みを皆で考察する有益な機会となっています。

工場で説明する副社長の
Mr. Cong

今回訪問したINOX HOANG VU 社は、副社長のMr. Vu Tien Congが第7期経営塾に参加しています。同社はステンレススチールの部品・パイプ等を製造している企業で、2014年にはベトナム企業トップ300にも選ばれました。品質を第1に考え、人を重視して生産を行っています。今回は「ものづくり」をテーマに同社の生産ラインを見学後、活発な意見交換が行われました。

参加者からは改善が必要な点について、「品質管理が物足りない。製品が傷ついたりへこんだりしている。」「生産工程のレイアウトが効率的でない。」「労働者の安全基準が守られていない。」「経営方針が工場のどこにも書かれていない。」「人員配置が適当でない。」等、様々な指摘がなされました。

活発にコメントする参加者たち

また、今回のセミナーに同行した経営塾の清水講師は、「旧正月の時しか機械を止めないとのことだが、生産機械のメンテナンスも必要」「梱包に80%の人員が配置されており、見直しが必要」「データの見える化をし、生産性向上のためにスタッフが考えるしくみの構築」等についてアドバイスを行いました。
さらに、同じく経営塾の講師である平田氏からは、「非常にいい事業をしているので、もっと大きくなれるはず。NO1になるために何が必要か具体的な目標を明確にする必要がある。」「設立以来24年間の垢をいかにして落とすか、自分では気づきにくいので、客観的な意見を求めるべき」等のコメントがありました。

コメントする経営塾の
清水講師

ベトナムの企業に詳しい両氏曰く、ベトナム企業の特徴として、生産工程の主要な工程以外のところに人が多く配置される、また、データの管理が弱い傾向があるとのことですが、INNOX HOANG VU社に対しても同様の指摘がありました。
様々な指摘とアドバイスを受け、同社のCong副社長は、「今日頂いた意見を参考に改善を実行し、これからの発展に役立てたい。」と意気込みを語りました。

90名という参加者の多さに加え、彼らの熱心な発言からも、経営塾の元・現塾生たちの学ぶ意欲を強く感じたイベントでした。